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「元気」のための基礎知識《更年期の女性の健康 編》<PR>

30代に突入した「大」の今年の目標は心身ともに健康第一! 将来の自分や家族のために、病気と健康の基礎知識を学びます。

《企画/島根県・島根大学医学部》

【今回の先生】

島根大学医学部産科婦人科 講師
日本産科婦人科学会認定専門医/
日本生殖医学会生殖医療専門医/
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医(産婦人科)

折出 亜希先生

女性の健康とホルモンの関係

女性の心身の健康は女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の影響を受けるため、ライフステージごとに変化が起こりやすいです。

特に影響が大きいのがエストロゲンで、45歳以降の更年期になると急激に分泌量が減るため、ホルモンバランスの乱れによる心身の不調が現れやすいです。

これを更年期症状と呼びます。

▶更年期に現れる症状はどんなものがありますか?

ホットフラッシュ(上半身ののぼせ、ほてり、発汗など)や動悸、不眠、怒りっぽい、倦怠感など症状はさまざまです。

症状の種類や程度、現れ方には個人差があり、大きな変化を感じない方もいれば、日常生活に支障をきたすほど深刻な「更年期障害」を起こす方もいます。

先生「更年期でイライラしやすくなり落ち込むこともあると思いますが、ホルモンによる場合が多いんです」

「ホルモンのせい、と思うと気持ちも少し軽くなりますね。周囲もそれを理解することが大事ですね」

我慢や自己判断は禁物!早めに受診を

▶更年期の症状がある場合、受診する目安はありますか?

不調が続く場合は一度、医療機関を受診することをおすすめします

「我慢するもの」と思われる方がまだまだ多いですが、ホルモン補充療法や漢方療法など一人一人に合わせた適切な治療で症状を和らげることができます

“更年期の症状だと思っていたら別の病気だった”ということもあるので、自己判断せずにまずは受診しておくと安心です。

先生「『行っとこうかな』と軽い気持ちで受診して大丈夫です。別の科につなぐこともできるので、まずは一歩を踏み出してください」

▶更年期症状に対してできるセルフケアはありますか?

女性ホルモンと互いに影響を与え合う自律神経を整える生活を心がけると、更年期の症状も落ち着くことがあります。

具体的には、適度な運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠時間を確保することなどです。

とは言っても、更年期にあたる年代は子育てがひと段落したり、介護が始まったり、仕事では役職に就いたりと、環境の変化やストレスもあり、自分自身に目を向けにくい時期でもあります。

ゆっくりお風呂に浸かる、スマートフォンを見る時間を減らすなど、できることからやってみてほしいです。

女性特有のがんにも注意を

子宮頸がんは20代から、乳がんや子宮体がん、卵巣がんなどは更年期以降にそれぞれ発症するリスクが高くなります

大腸がんや肺がんも女性が発症する割合が高い病気です。

多くのがんは早期に発見できれば治せる可能性が高いです。

そのために、定期的に検診を受けるよう心がけましょう。

今回のまとメモ♪

「将来どんな風に体が変化し、どう対応するかを知っておくだけでも備えにつながりますね」

先生「健康で長生きするために“自分のことを気にかける”と意識することが大事ですよ」

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