2024年１月末、松江市灘町に一風変わったスタイルの飲食店としてオープンした。

店に入ってすぐ目に入るのは、ずらりと並んだ多彩な器の数々。

全て松江市内の窯元、作家によるもので、店主自ら訪ね歩いて一点一点セレクトしたもの。

メイン料理を盛り付ける皿とご飯茶碗が１セットになっており、この中から好みのセットを選び、料理を盛り付けてもらう。

ランチは管理栄養士が作る。肉か魚のメイン料理を選び、６種の副菜にご飯とみそ汁が添えられる。

ボリュームがある上、地元の新鮮野菜をたっぷり使い体にも優しい。

「どれにしよう」と数ある中から器を自分で選び、実際に使える楽しみ方は、ありそうでなかった体験で、手仕事の魅力に直に触れられる特別感が好評を得ている。

店は、地域おこし協力隊として松江市に移住した沖縄出身の岸本廣美さんが、誰にとっても身近な「食」を通して「松江工芸」の魅力を伝えようと開いた。

「『松江工芸』という言葉や、窯元・作家さんたちのことを知ってもらうきっかけになる場にしたい」

その真っすぐな思いの通り、リピーターと会話が広がってきつつあり、それが原動力になっているそう。

ディナー営業は、和食、フレンチ、イタリアンなど４人の料理人が日替わりで店頭に立ち、幅広いジャンルの料理を楽しめる。

岸本さんが沖縄料理を振る舞う「ちむどんどん」の日も大人気◎。

店舗の２階部分は、貸しスペースになっていて、展示会などのイベントが定期的に開催される予定。

いつ訪れても人とモノ、コトとがつながるような場所になっている。

この地に住む人だからこそ、まだ知らない魅力と出会うために一度は訪れたい場所だ。