グルメ
【出雲市】<出雲うどん山太>のど越し涼やか! 懐かしく小麦香る細麺
やや褐色をおびた「出雲うどん」が看板の同店。
小麦の胚乳だけを製粉する一般的な中力粉のうどんとは異なり、ふすまや胚芽など、小麦の栄養をまるごと挽(ひ)き込む全粒粉に近い粉を使うことで、出雲地方で古くから作られていた伝統的なうどんを再生した。
きわめて細麺で、なめらかに口に入るのが特長のひとつ。
冷たいつゆかけうどん(650円)でそのコシの強さ・のど越しの良さを知ってほしい。
エビや短冊状の餅(もち)、季節野菜などの天ぷらがセットの天ぷらうどん(1,300円、写真)では、香ばしい揚げものとの相性の良さを堪能できる。
出雲で伝統的に行われていた、春~秋の米栽培と、冬~春の麦栽培の二毛作。
小麦は食卓になじみが深く、練ってすいとんのような団子で親しまれてきただけでなく、当時は各家で醸造されていたという醤油づくりや、大社地方で盛んだった芋飴づくりの麦芽糖などにも欠かせない材料だった。
「二毛作や農村の懐かしい文化を守りたくて」と、店主・森山太史さんはうどんに注目。
当時の農家でおばあちゃんたちが作っていたうどんは、精製度が低い黒っぽい粉を使い、麺棒で延ばすときに端がつぶれた生地を包丁で太く切った見た目から“どじょううどん”と称されたそう。
これをベースに、香りとコシ、なめらかな食感を引き出す細麺に仕立てた。
完全な全粒粉はうどんの粉として扱いにくいため、理想をかなえてくれる県外の製粉所に製粉を依頼、製麺は自店で行うこだわりぶり。
昆布やカツオやいりこなどの混合節などでダシをとり、みりんや醤油などで味を調え、後味スッキリ。
温かい麺は店主いわく「もちゃっとした食べ心地」だそうで、肉うどんや坦々うどん、冬場は鍋焼きなどでも親しまれる。
出雲市佐田町で採取される草もちの原料・ホウコ(キクバヤマボクチ)を練り込み、強いコシとさわやかな香りを楽しむ「宝庫うどん」は他店で見ることができないもの。
ほかにもパスタ的な使い方の「カルボなうどん」など、山太の麺に合う1杯は実にユニーク!
国道184号線交差点に面した明るい店内。
タブレット式のメニューには季節限定ものや、ラーメンが登場する日も。
そばを中心に提供する大社店も変わらず人気。
出雲うどん山太
住所:出雲市今市町北本町3-1-1 【MAP】
電話:0853-77-2897
営業:11:00~14:00、17:00~20:00(夜は不定期)
休み:火曜日
駐車場:あり
(記事は2024年5月26日現在)