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「元気」のための基礎知識《薬との上手な付き合い方 編》<PR>

30代に突入した「大」の今年の目標は心身ともに健康第一! 将来の自分や家族のために、病気と健康の基礎知識を学びます。

《企画/島根県・島根大学医学部》

【今回の先生】

島根県薬剤師会 出雲支部副支部長

株式会社ファーマシィ 薬局本部 薬局2部 部長

薬剤師/介護支援専門員

山下 貴弘 先生

薬を正しく飲めていますか?

▶自分が「正しい飲み方」ができているかどうか…ちょっと不安です。

薬は「医師・薬剤師の指示の通りに飲むこと」が基本でとても大切です。

病気を治療するために飲む薬ですが、使い方を間違ってしまうと効果が十分に得られなかったり、思わぬ副作用が出たりする恐れも。

「症状が安定しているから…」「お金がかかるから…」などと自己判断で飲み方を変えることは絶対にしないようにしましょう

▶薬を飲むタイミングが決められている理由はなんですか?

効果的に薬が作用するように時間、食事の影響を考えてあります

仕事の都合や生活リズムなどで指示通りに飲めず、薬が余ってしまうことはありませんか?

そんな時は自分で調整せずに、医師・薬剤師に相談してください。薬の種類を変えるなどの対応ができることもあります。

先生「薬剤師は患者さんの生活状況に応じた服薬サポートを検討します。ささいなことでも気軽に聞いてほしいです」

「何となく遠慮する気持ちがありましたが、困った時に頼っていい場所なんですね。安心しました!」

高齢者に多い“ポリファーマシー”

▶あまり聞きなじみのない言葉です…詳しく教えてください!

ポリファーマシーとは、複数を意味する「ポリ」と、調剤を意味する「ファーマシー」を掛け合わせた造語です。

服用する薬が多いことで、きちんと薬が飲めなかったり、副作用を起こしてしまったりして、有害な事象が起きている状態のことをいいます。

単に、薬の数が多いことが悪いというわけではありません。

▶薬といえば、高齢になると増えていく印象があります。 

高齢になるとかかる病気も増え、通う医療機関の数に比例して薬の数も増えていきます。

厚生労働省の調べでは、75歳以上の4人に1人が5種類以上の薬を使っています。

薬が6種類以上になると副作用を起こす人が増えるというデータもあります。

高齢者は特に副作用に要注意です。

加齢とともに肝臓や腎臓の働きが弱くなり、薬の分解・体外への排泄に時間がかかるようになります。

多数の薬の中に飲み合わせの悪い薬があれば悪影響になることも。

結果、薬が効きすぎたり、反対に効かなかったり、副作用が起きたりします。

「ポリファーマシーは副作用の心配に加えて、薬が余ってしまう原因にもなりますか?」

先生「そうです!家庭で山積みになった残薬が医療費の増大の一因にもなっていて、解消が急がれています」

かかりつけ薬局・薬剤師を持とう

▶薬と上手に付き合うために大切なことを知っておきたいです。

まずは、かかりつけの薬局・薬剤師を決めておくようにしましょう。そうすることで服薬状況も一括してもらえ、薬の重複や飲み合わせの悪い薬の服用などを防ぐことができます。

 

▶薬剤師と話をするときに伝えるべきポイントはありますか?

その時点で飲んでいる薬の情報は全て伝えてください。飲み合わせに注意が必要な場合もあるので、普段飲んでいる市販薬や健康食品、サプリメントなどの情報も伝えておくと安心です。

今回のまとメモ♪

「『薬が余っている』『うまく飲めない』などいろいろな相談をしていいことに驚きました」

先生「薬が余ってしまうのにも理由や原因があると思います。薬局は薬をもらうだけの場所ではないので、気軽に相談してください」

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