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WEBでも教えて! 青山せんせい 【不登校】大事なのは「式」よりも〇〇! 編

りびえーる本紙でも大きな反響をいただいている子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。

就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。

子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!

【不登校】大事なのは「式」よりも〇〇! 編

3月は卒業の季節。

不登校の子どもたちの周辺にいる大人は、節目やけじめだからと「式典に出る」ことを望みがちです。

ですが、大人の理想と子どもの思いは、果たして重なっているのでしょうか?

今回は、学校に行きにくかった子どもたちの「卒業式」を考えます。

 

それでは今回も…教えて!青山せんせい!

 

親のほうがざわつく…「けじめ」の謎


今年も早いものでもうすぐ3月です。

3月といえば卒業の季節でしょうか。

わたしは不登校の支援をしているので、この時期になるとザワザワするお母さんたちをよく見かけます。

何にザワザワするかというと【卒業式に出られるのか】です。


とにかく「みんな卒業式に出るのにうちの子だけ」と言う。

うちの子だけかわいそう…と切なそうなんですが、当の本人たちは 卒業式には出ない!と結構潔く決めてるんですよね。
 

そりゃあもちろん、少しは出たい気持ちもあるかもしれません。

が、思春期真っ最中の子どもたちが、学校に行けていない自分の姿をみんなに晒す(言い方は悪いですが、本人たちの言葉を借りるとこんなふうに感じてるようです)のは、子どものプライドとして無理だと思うのです。

決して好奇な気持ちで見られることはないにせよ、「人からどう思われるのだろう」と他者の眼が気になる年代の子どもが、友達の目にさらされるのは受け入れ難いものかなと わたしは思います。

だから「学校に行きたくない・卒業式なんかとんでもない」という気持ちがある。
 

でも先生も親も「せっかくの卒業式なのに」「大事な行事だから」って子どもに式への参加を促す。

子どもとしてはそれは十分わかっていて、だからこそ先生や親の期待に応えたい。

ただ、自分の苦しい胸のうちもわかってほしい…とも思っています。

「卒業式」は誰のため?

「どうして式に出てほしいの?」と、失礼ながらお母さんに尋ねました。

 

「みんなが出るから」

「小学校(中学校)の節目だから」

「卒業する姿を見たいから」

「自分は学校が楽しくて本当に良かったから、それを子どもにも味わってほしいから」

 

なんだか「みんなが~」とか「自分が〜」とか言って、子どもの心を無視してる…なぁんて思ったりします。

特に最後の言葉なんか全く子どもの心を無視してますね(自分が楽しかったから とか それあなたの感想ですよね)。

 

子どもは自分とは違う人格。

そして、子どもはあなたと同じ状況ではない。

 

ちょっと考えてほしいです。

卒業式は「けじめだ」とか「節目だ」とか、それもわかる。

校長室で校長先生と担任と親子で卒業証書をもらったり、母親が代わりにもらってきて喜んだり…それもわかる。

もちろん、そうしてもらって「よかった」と思う子どももいますが、それも受け止められないくらい苦しいさなかの子どももいるかなと思います。

 

どうか、期待しすぎないでください。

 

「自分の思ったように生きてくれる子どもの姿を期待しないで」と、毎年この時期になると思う。

子どものそのままの姿を受け止めてみてほしい。

卒業式に出たくないという子どもも、卒業式に張り切って出かけられる子どもも、

いや、今生きている子どもの姿そのものを、そのまま、一回でいいから受け止めてほしい。

 

それでも難しいのであれば、

「生きててくれてありがとう」

これをちょっと心の中で唱えてください。

 

たかが「式」、されど「式」…ですがやっぱり、たかが「式」です。

誰のための「式」でしょうか、もう一度考えてみてくださいね。

 

「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)

 親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。

 登録者数4.21万人(2025年2月末現在)を数えるYouTubeチャンネル未来へつながるしあわせな子育て塾でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。

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