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<PR>「元気」のための基礎知識 <脳卒中・高血圧編>

りびえーる健康取材班と学ぶ! 「元気」のための基礎知識

40代半ば、そろそろ健康に本気で気を付けたい取材班「河」。人生後半も元気でいるために、病気と健康の基礎知識を学びます。

企画/島根県・島根大学医学部

 

【今回の先生】


島根県病院事業管理者
島根県参与(地域医療支援担当)
島根大学名誉教授・医学博士
山口 修平 先生

脳卒中と予防法

脳卒中や高血圧への注意、冬季とは関係があるのでしょうか?。

 冬は温かくした室内と雪が降る寒さの屋外、生活環境の気温幅が大きいですね。

 寒さの刺激で血管が収縮すると血圧が上がりますが、血圧の変動幅が大きくなると、脳内の血管が詰まる・破れるなどが起こりやすく、脳卒中の危険が高まります

 手当てが遅いと、脳内の損傷した箇所がつかさどる体の働きが不完全になったり失われたりする後遺症が残ることがあります。


 山口先生「40~50代では「血圧の心配はまだ早い」と不調を見過ごしてしまう方も。実際は、脳卒中は若い方にも増えているんですよ」

どのように防いでいけばいいのでしょうか。

 脳卒中には、動脈硬化や血栓などで血管が詰まって起こる脳梗塞、脳内の小さな血管が破れて起こる脳出血、動脈瘤などが破裂して起こるクモ膜下出血などがあります。

 いずれも血圧のコントロールや、動脈硬化を防ぐことがカギになります。

 高血圧の人、糖尿病や、コレステロール値が高い脂質異常症(高脂血症)の人は特に健康管理が大事です。

 

 

食事…塩分・脂肪分の摂りすぎに注意!
 塩分の1日当たりの摂取量は6g程度を推奨しています。しょうゆやタレなどは「かけるよりつける」など小さな工夫が功を奏します。
 また脂肪分の摂りすぎが招く脂質異常症(高脂血症)は動脈硬化のリスクを上げます。肉の脂身やバター・生クリームなど、飽和脂肪酸を多く含む食品は量に気を付けましょう

 

運動…「動く」習慣をつけよう
 ウオーキングなどの有酸素運動を取り入れると有効です。難しければ、こまめに動くだけでも効果あり!

山口先生「本当は週2回ぐらいは少しキツめの運動を勧めたいところですが…」

河「なかなか難しいですよね。できるだけ歩くようにします!」
 

ヒートショックについて

急な温度変化といえば、この時期気になる「ヒートショック」についても教えてください!

 暖房のきいた室内から冷え切った脱衣場へ行き、寒いからと急いで浴槽へ…図のような体感温度の激しい変化が、心臓への負担や血圧の急な変化による脳卒中、心筋梗塞などを招きますトイレで起こることも多いですよ。

 血管の反応性が落ちている高齢の方はもちろん、高血圧・糖尿病、動脈硬化などの基盤のある人もハイリスクです。

 お風呂の温度は体に負担が少ない40~41℃程度を目安に。浴槽のフタをあけて浴室の温度を少しでも上げたり、暖房器具などで脱衣所を温かくしておくといいですよ。

河「…私熱いお湯が好きなんですが…設定で46℃とか…」

山口先生「ええっ…ほんとですか?! 46℃は高すぎです(汗)ぬるめの湯に慣れやすい夏場から変えていきましょう!」

脳卒中の予兆

突然襲うイメージがある脳卒中ですが、予兆はあるのでしょうか。。

 よく知られているのは「言葉が出にくい、ろれつが回らない」「半身のまひ、しびれ」などです。このほかに視野が欠けたり、ひどい頭痛やめまい、失神などが起こることも。

 ただ、注意したいのが5分程度でこれらの症状が見られなくなったとき

 これは、小さな血栓などが一時的に血管をふさぐも、その箇所を通り抜けてしまうことで収まったかのようになる「一過性脳虚血発作(TIA)」という症状。高い確率で次の発作が来ます

 これらの症状が出たら、治まった場合にも安心せず、ただちに病院にかかってください。場合によっては救急車を利用してもかまいません。

 時間を置かずMRIやエコー診断をして原因を突き止めることで、脳卒中の発作を未然に防ぐことが可能になります。

今回のまとメモ♪

山口先生「今は血栓を溶かす薬や血管内手術など技術が進みましたが、いち早い診断があってこそ生きるもの。脳卒中が疑われたらためらわず病院へ!」

河「両親とも軽度の脂質異常症(高脂血症)なので、脳卒中リスクが身に迫って感じられました。お風呂の温度も低めを心掛けます!」

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