読みもの
BOOK~読んだり 塗ったり まち歩きのお供に
地元山陰に関連したテーマや、りびえ~るでおなじみの作家らによる著書が発行された。読んで、塗って、ともに歩いて、それぞれに楽しんでみては。
「親子で学ぶ 堀川遊覧船と国宝松江城」
宍道正年・著
山陰中央新報社・発行
1,650円
松江歴史館専門官を務め、現在、国宝松江城歴史遊覧船乗船講師の宍道正年さんが著した「親子で学ぶ 堀川遊覧船と国宝松江城~川面から見る城と城下町」。大人と子どもの対話形式で地域の歴史を学べる「親子で学ぶ」シリーズの第10弾。
歴史の勉強が好きな松江市内の小学校6年生・マアちゃんと歴史愛好家のお父さんは、これまで松江城や城下町について見学してきた。
今回は、堀川遊覧船に乗り、お堀の中から勉強してみようと思いつき、松江市黒田町の「ふれあい広場乗船場」からスタート。地元の歴史にとても詳しい船頭さんの説明に耳を傾ければ、お堀の中からだからこその発見がたくさん。
城山の東西南北で分けて、写真やイラストを多用し、お父さんのポケット豆知識も挟みながら、分かりやすく説明。昔の写真や絵図もあり、当時の暮らしにも思いが及ぶ。
取り扱いは島根県内の主要書店、堀川遊覧船乗船場、松江歴史館、山陰中央新報本社、総局・支局・販売所で。
「線細ペン画家 蔵りすとの 大人の塗り絵本・楽しい塗り絵」
森井裕子・著
900円りびえ~るの「線細ぬり絵」でも知られる蔵りすとこと森井裕子さんが楽しい大人の塗り絵ノートを発行した。森井さんは2010年ころから山陰の蔵や町屋、古民家、風景などを繊細なペン画で描いている。絵が苦手でも楽しめる塗り絵は根強い人気で、近年、特に脳の老化予防や、塗ることに没頭し集中している時間はストレス解消や癒やしになると注目を集めている。
この塗り絵本は、A4判で大きく塗ることができ、見開きに、色見本と塗るページを配置。見本を参考にしたり独自の色使いで塗ったり、輪郭線を生かしたりはみ出すように塗ったりと、自分らしく塗って楽しめる。紙も上質で、完成したら額に入れて飾りたくなる。裏表紙に、きれいに塗るポイントなども書かれていて、ぜひ参考にして個性あふれる作品を描いてみては。
取り扱いは、杉島書店、ブリコラージュ、米子まちなか観光案内所、ティズクレイ、中央画材米子店(いずれも米子市)、Temamaco-てままこ(安来市)などで。
「米子の町家まちなみ八十八」
米子の町家・町並み保存再生プロジェクト・編
一般社団法人米子観光まちづくり公社・発行
1,100円城下町であり、商都としても知られる米子。町の活性化を図るため「米子らしさ」「米子ならでは」を探そうと、今も約700棟が残る町家に注目し、2011年度に立ち上がった「米子の町家・町並み保存再生プロジェクト」が歴史や間取りを調査、検証。
米子ならではの特徴をもつ町家を都市資源として活用し、多くの人に魅力を伝えようと、同プロジェクトの成果をまとめ、米子観光まちづくり公社が発行した。
紹介している町家は62(現存していない建物も含む)。線細ペン画家の蔵りすと・森井裕子さん、画家の松下順一さんによる挿画も心和む。各町家の解説のほか、さまざまなテーマで書かれたコラムも充実し、読み応えがある。
米子市外の人はこのブックレットをまち歩きのお供に、同市内の人は地元の魅力を再発見するきっかけに(書かれている「まちあるき作法」を守りましょう)。
取り扱いは、今井書店、米子まちなか観光案内所などで。
「あの日の風景 昭和が遠くなる」
村上保・著
信濃毎日新聞社・発行
1,760円りびえ~るでおなじみの「ふる里の風景」が書籍化された。
著者の村上保さんは1950年愛媛県大洲市生まれで東京学芸大学を卒業。子ども時代の昭和30年代は、みんな貧しく、服のお下がりも当たり前の時代。それでもか、それだからか、夢と希望は抱えきれないほどあった―。そんな昭和のエピソードを「まちの風景」「昭和の空気」など5章に分けて、温かな切り絵とエッセーで紹介する。
同世代は懐かしさや共感する出来事の数々が詰まっており、「駅の伝言板」などはそれぞれにエピソードがあるのでは。昭和を経験したことのない世代も「これは知っている!」という内容や、親や祖父母の世代はこんな時代を過ごしたのかな、と当時の雰囲気を想像してみるのも楽しい。読んだ人が昭和へタイムトリップできる一冊になっている。
取り扱いはお近くの書店での注文もしくはネット書店で注文を。