読みもの
<PR>「元気」のための基礎知識 <正しく知ろう!食中毒編>
りびえーる健康取材班と学ぶ! 「元気」のための基礎知識
そろそろ健康に本気で気を付けたい、本年4度目の年女・取材班「河」。人生後半も元気でいるために、病気と健康の基礎知識を学びます。
企画/島根県・島根大学医学部
食中毒の原因について
夏場に増える印象がある食中毒。実際はどうですか?
高温多湿になり細菌が増えやすい点では確かにその通りですが、ウイルスや寄生虫、自然毒を含め、年間を通して気を付けてもらいたいです。
特に昨今はコロナ禍で時間に余裕ができたこともあってか、自家菜園を始めた人が誤って毒性のある植物を食べてしまう例が見られます。
食中毒を起こす傷んだ食品が、味も匂いも変わらないと知って、正直びっくりしました。
匂いをかいで食品の危険性を判断することがありますが、食中毒の原因になるもので、腐敗臭を出すケースは実際はまれです。
高温加熱や冷凍保存にも耐えるものもあるので、原因となるものを正しく理解することが大事なんですよ。
主な原因と特徴
あっためてもダメ?!
黄色ブドウ球菌 … 手のひらなどの体表面にだれでも持っている菌。手荒れや傷口に多くいる。
要注意食品…おにぎりやサンドイッチなど
ポイント…菌自体は熱に弱いが、増殖するときに毒を出す。この毒は熱に強いので温めても中毒を防ぎきれない。おにぎりは、ラップや使い捨て手袋の使用でリスク軽減できる。
「冷ませば大丈夫」のワナ!
ウェルシュ菌 … 土中にいることが多く、穀類やジャガイモなどに付着
要注意食品…カレーやシチューなど
ポイント…熱を加えても芽胞(がほう)という殻を作り生き延びる。常温に置くと菌が増殖しやすいので、料理が残った場合は熱いうちに小分けにし、すぐに冷まして冷蔵庫に保管する。
牛は生で食べるのはダメ!
腸管出血性大腸菌(O-157) … 主に牛の腸内にいる大腸菌
要注意食品…BBQ、焼肉など
ポイント…原因は食肉加工の途中での肉表面への付着。箸やトングは焼く用と食べる用を分ける。熱に弱いので、しっかり焼く。生肉に付着した野菜は生食しない。
鶏は中まで確実に焼いて!
カンピロバクター … 鶏を中心とした動物の腸内細菌
要注意食品…半生や加熱不十分な鶏肉料理
ポイント…一般的な菌が空気を好む好気性なのに対し、微好気性のため表面に付着すると肉の内部に入り込む。熱に弱いので、中までしっかりと火を通して。
目視で分かることも
アニサキス … イカやサバ、イワシ、サケなどに寄生
要注意食品…天然ものや冷凍していない魚などの生食
ポイント…太さ1㍉以下、伸ばして2~3㌢の線状の虫が丸まっているので、見て分かることも。低温・高温に弱いので、しっかり火を通す、冷凍するなどが有効。
予防の3原則にプラス1!
食中毒予防のポイントをおさらいしたいです!
食中毒予防の3原則
つけない…手洗いの徹底、調理器具を洗浄・消毒する
増やさない…細菌の増えやすい10~60℃を避ける適切な温度管理
やっつける…中心部75℃以上を目安に1分間以上しっかり加熱する
これにぜひ「確認する」を加えてください。
消費期限のチェックはもちろん、魚介類の購入時は、天然もの・養殖もの、生・冷凍ものを確かめて。冷凍の魚介類は寄生虫による食中毒リスクが比較的少ないです。
食中毒を疑うときはどうすれば?
食後に体調が悪くなると、直前の食事を疑いがち。しかし食中毒の場合、体調悪化までの日数は、原因となるものにもよりますが2~7日を要するものが多い。少しさかのぼって食べたものを思い出してみてください。
腹痛やおう吐、下痢、発熱などが見られた場合は、適切な診断を受けるため医療機関を受診ください。