読みもの
WEBでも教えて!青山せんせい 「子どもらしさ」ってなんだろう? 編
りびえ~る本紙で掲載するたびに大きな反響がある、子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!
「子どもらしさ」ってなんだろう? 編
やるやる期~就学前後のお子さんとそのご家族とかかわるなかで「最近気になることがあるんです」と青山先生。
どうやら保護者世代の「子どもらしさ」という言葉の認識が、ちょっとずれているように感じるそう。
元気いっぱい、いたずらもいっぱい、でも「お友達と比べてどうかな」「もうそろそろ〇〇できても」…と大人は悩みがち。この思いが実は、大きなゆがみを生んでいるかも?!
それでは今回も…教えて!青山せんせい!
「子どもらしさ」ってなに?
世にいう「いやいや期」を、私は自分で考えて動くやる気と行動力を確立する基礎となる「やるやる期」ととらえていますが、この時期の子どもを取り巻く親・祖父母など大人世代を見ていて、とても気になることがあります。
というのは、「子どもらしさ」という言葉。
もちろん知っていると思うのですが、この言葉を多くの誤解しているような気がしています。
「子どもらしい」=その年齢に応じた子どもらしい
だと私は思っているのですが、その年齢に応じた子どもらしさがあるにもかかわらず、どうしても、他のお子さんと比較して焦って不安になっているように見えます。
能力も環境も違う
月齢も違い、してきた経験も体験も、
その子を育てる親やバックグラウンドも違うのにも関わらず…です。
これらのことは当然のようにあるものなのに、なぜか、この不安に頭がいっぱいになって目の前の子どもを見ずに、その子を測るものさしのような“情報”を探し回っているように見えます。
そうして、集めた情報=指標と比べて「わが子のできていない点」を探し回っているんです。
そして、自分で子どもの“粗(あら)”を探し回っているにも関わらず、いざできていない点を他者に指摘されると「傷ついた」「傷つけられた」と心を痛めます。
あるがままで完璧、それが「子ども」
ここで何が言いたいかというと、子どもはその年齢ですでに完璧であるということ。
その年齢に応じた完璧さがあります。しかも、そこに「上手にできない」とか「失敗する」「困った行動に(一見)見える」という部分が含まれたうえで、完璧なんです。それを知らないのです。
もしかしたら この姿や事実を「子どもにかかわる専門家」も知らない可能性があります。
『できないことは悪』という考え方が蔓延しているため、そういったことが起こります。
逆にいえば、できている、あるいは人より優れてできている…そこに「価値」を見出す考え方です。
しかし、私はよく言うのですが…
子どもは常に 日々通過点。
ここを忘れていませんか?
子ども時代は通過点。すべて、オトナになるための練習の時代なんです。
そう思ってみるだけで、この時代の子どもに対するかかわりが劇的に変わるはずです。
できないことを指摘して悲観する子育てから脱することができます。
わが子を測る“ものさし情報”をスマホや周囲の言葉から集めるよりも、もっと、目の前のあなたの子どもそのままの姿を、いとおしんで見てあげてくださいね。
「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)
親学ファシリテーターとして4000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。
登録者数1.98万人(9月末現在)を数えるYouTubeチャンネル「未来へつながるしあわせな子育て塾」でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。