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WEBでも教えて!青山せんせい “強み”をはぐくむ「回り道」のススメ 編
りびえ~る本紙で掲載するたびに大きな反響がある、子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!
“強み”をはぐくむ「回り道」のススメ 編
3学期も中盤、新年度がそろそろ見えてくる時期になりました。
青山先生のYouTubeチャンネル「未来へつながるしあわせな子育て塾」では、このタイミングでなぜか視聴が伸びてくる動画があるんだそうです。
そこに見えるのは、子どもの学力や理解度を心配する親の、ある「心理」だそうで…?
それでは今回も…教えて!青山せんせい!
焦りは禁物…「わかった!」は時間差でやってくる
3学期になると、私のYouTubeの動画で 再生数が上がる動画が複数あります。
それって、どんなジャンルだと思いますか??
不登校? しつけ? 子育ての方法?? なんだと思いますか?
それは、勉強のさせ方や勉強法の動画です。
保護者の方たちが新しい学年を目前にして
「うちの子、算数大丈夫かな?」
「わかってないかもしれない」
「学年上がるのに、大丈夫かな?」
と思うらしく、再生される動画は勉強の動画が多くなります。
おそらく、新一年生の親御さんや新中学生の親御さんが再生されているのかもしれませんね。
学習の理解に関してなんですが、子どもによっては「すぐに理解できる子」と「時間をかけて理解できる子」がいると思います。
「時間をかけて理解できる子」の中には、数週間で理解できる子 や 数か月たって理解できる子、
また、一年後に理解できる子もいると思います。
すぐに理解できる子のほうが評価しやすいので、どうしても高評価の対象になりがちですが、
私は早くても遅くても、理解できたらいいのではないかと思います。
例えば「分数の割り算の解き方」。
どうして「割る数を分母と分子を逆にしてかける」のか、説明できる大人はいますか?
大人のあなたも、すぐに理解できなくてものちに解けた問題や、
すぐに理解できなくても、大人になって「あぁあれはこういうことだったのか」とピンときた経験ってないですか??
同じように子どもたちも、すぐには理解できてなくても、「あぁあれってこういうことだったのか」と、
知識に経験が追いつくと理解ができることってあるんですよね。
そうしたら「なんだそうだったのか」と腑(ふ)に落ちるわけです。
なので、子どもたちの理解のスピードや深度は、実はすぐには測れないのではないかなって思うのです。
その子本来のチカラが目覚める…回り道の大切さ
何が言いたいかというと、
今目の前の子どもが
「すぐにできなくても」
心配しすぎるな
ってことです。
知識に経験が追いつく または 経験に知識が追いついた瞬間に、「わかる」のですから。
私は、知識を入れながら、それを上回る経験をさせることが学力を深めるコツだと思って、お勧めしています。
虫を捕る体験をした子は、中学の理科の授業で昆虫の体の仕組みがよくわかるし、
お料理の手伝いをした子は、濃度や分量の算出に対する理解が早いかもしれません。
山や海に出かけることが多かった子は、理科や地学が得意になるかもしれません
洋楽をよく聞く親の子は、外国語のフレーズに慣れ親しみ、リスニングに対するハードルが下がるかもしれません。
お手伝いをよくする子は、見通しをもって行動することができるかもしれません
そして何より…
好きなことに没頭する経験をした子は、
それが勉強に代わり、没頭して勉強に取り組み、成績を残すことがあるかもしれません。
だから、大人が思う勉強だけにこだわらずに、子どもたちがすべての日常の中で体験を深め、
学校で学ぶ知識と照らし合わせた学力を手に入れることを目指す
これを優先させたらいいのにって思います。
知ってることと、できることがつながる教育って、簡単そうですが、なかなか難しいようです。
なぜなら、子どもを取り巻く大人にとって、「勉強」と「日常」が別物になっているからです。
もったいない!!!
「日常」は勉強にあふれてて
「勉強」は日常の中にあふれていますよね。
「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)
親学ファシリテーターとして4000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。
登録者数2.19万人(1月末現在)を数えるYouTubeチャンネル「未来へつながるしあわせな子育て塾」でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。