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WEBでも教えて!青山せんせい 父と母、両親と祖父母…「子育て価値観」の違いをどうする? 編
りびえーる本紙で掲載するたびに大きな反響がある、子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!
父と母、両親と祖父母…「子育て価値観」の違いをどうする? 編
りびえーる600号発行記念「教えて!青山せんせい もっと子育てを楽しむ!対談&講演会」、大きな反響をいただきありがとうございました。
おかげさまで定員の100席がほぼ満席でした。
アンケートには「夫・家族にも聞かせたい」など、夫婦・家族間での子育てに関する温度・価値観差を感じさせるコメントがちらほら。
当日取材に当たった2名の記者(それぞれ子育て真っ最中のパパ・ママ)らとも、“育児方針の違い、どうしてる?”が話題に。
今回は、家族間の子育て価値観の差についてと、その違いを通して子どもに伝えられることをお話しします。
それでは今回も…教えて!青山せんせい!
両親だけで終わらない…「100年続く子育て」の意味を考えよう
先日のりびえーる600号記念講演会には多くの方に足を運んでいただき、ありがとうございました。
普段は小・中・高校での講演会が多いため、聞く世代や対象者がはっきりした状態ですが、参加者様のお子さんの年齢が幅広くて、私もなかなか勉強になりました。
男性の参加が多かったのも印象的で、講演会が始まる前には、新米パパさんとちょっとお話をさせていただきました。
その中でふと思ったことがあるので、今日は少し「お父さんとお母さん、家族間の子育てに対する価値観の違い」についての話をしていこうと思います。
私のところにあるご相談のなかには、夫婦・家族間の教育観の違いについてのお悩み相談があります。
具体的には、
・もっとお父さんにも子育てに興味をもってほしいが、どう促せばいいだろうか
・家族間で価値観が違うときはどうすり合わせていくのがいいか
例)厳しくしてくる妻とのびのびさせたい夫。学校休んでもいいよという両親と、行かせたがる祖父母など。
・家族間で価値観が異なるときのメリットやデメリット
などなどたくさんあります。
まず、もっとお父さんにも子育てに興味をもってほしいがどう促せばいいだろうか、という質問です。
この一文だけを見ると、お父さんが全く教育に無関心で「子どものことはお前に任せた」という感じでしょうか…。
これについては、悩んでいる皆さんの環境や背景がよくわからないので、一概に言えないのですが、多分ですね、
お父さん、「なにをしたらいいのかわからない」のかなと思います。
もしかしたらですね、
産後子育ての最中に、新米パパが分からないなりに何かしようとした(あるいは何かをした)、そんな時に、産後つらくてイライラしたママはこんなことを言ったのかもしれません。
「余計なことをしないで」
「そのやり方は違う」
「もうあなたはいいから自分のことをしてて」
「あなたがすると二度手間になる」
「あなたまで煩わせないで」
(うう、なんか書いてて心が痛い…)
言ったことないでしょうか?
たぶんあると思います。 なぜ言い切れるかというと、こういうことを相談されるからです。
そしてかくいう私も、手伝ってくれようとする、何をしていいかわからない・でも何かしたい気持ちの新米パパに向かって言ったことがあります。
これを言われると、人は何もできなくなります。
しかもこのセリフ…親自身が子どものころに自分の親にさんざん言われてきた言葉なので、きっとね、
「あなたは無能だ」
「あなたは役に立たない」
「あなたは何もできない」
自分は何をやってもダメ、うまくいかない…と刷り込まれ、心の奥にしまったトラウマが掘り起こされます。
新米パパにそう言い放つ新米ママも、実は子どものころ親に同じようなセリフを言われて、つらい思いをしているはずです。
子育てを始めると、親自身の子どものころが掘り起こされます。
つらいですよね。
「わかってくれない」「話が合わない」と思うときは、そういう“親の幼少期の体験”が子育ての最中に再現されていたりして、互いにつらくなってしまうのです。
わたしはよく子育ては100年続くよと話しています。
それはこんなことです。
あなたのお子さんは、結婚して子どもを育てるときに
あなたからされた
あなたたちがしている
子育てを
繰り返します
それはおじいちゃんおばあちゃんの余計な干渉も同じです。
おじいちゃんおばあちゃんの関わりが無意識に親世代の心を縛り、親は縛られた心で、子ども世代を縛ってしまう。
そうすると、
100年続く幸せを受け取るどころか、
100年続く不自由な生き方になるのです。
そう思うと、本当に苦しい。
価値観は違って当然。だからこそ見せたい「伝え合うチカラ」
・家族間で価値観が違うときはどうすり合わせていくのがいいか
・家族間で価値観が異なるときのメリットやデメリット
についてですが…
わたしは、家族間で意見が一致していなくてもいいと思います。
なぜなら、世の中は多様性に満ちているから。
ただ、違うことでイライラしたり喧嘩したり、互いを責めることをしなければいいのです。
そして、
こうしたらいいよね
こうしたらもっといいよね…と、
“こうなったらいいね”をたくさん話してほしいなと思っています。
一番いけないのは、
決めつけて、こうしなければならない!!としてしまうこと。
特に、視野の狭い状態や経験のない状態ではNGです。
耳が痛いと思うけれど、「地元から出たことがない」人はおそらく視野が狭くなりがち。
思い込みの過干渉は子どもを不自由にしますよ。
山陰での例ですが、多くの他県では「ひもおとし」って言いません。
20年前に“ひもおとし”を知らないといったら「常識を知らないやつ!!」ってすごく叱られたのを思い出します。
郷に入れば…という話も理解できますが、「いや、その“常識”、ここでだけだから」!!
(あっ、ちなみに「腸感冒」も「喜びます」という言い回しもでした)
それと同じくらい
自分の常識や「こうあるべき」が本当なのか?
それは今の時代に正しいことなのか?
を、考えたほうがいいです。
何事も、冷静に話し合うこと、伝え合うこと。
わかりあうこと…ですね。
それが人間力で、これから必要とされる力じゃないでしょうか?
お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんが、率先してそういう力を子どもに見せてください。
それが“教育”ですよ!
「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)
親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。
登録者数2.47万人(6月末現在)を数えるYouTubeチャンネル「未来へつながるしあわせな子育て塾」でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。