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元気のための基礎知識《夏こそ知りたい! 良質な睡眠のとり方 編》<PR>
30歳を前に体の変化を感じながらも目を背けてきた取材班の「大」。
健康に長生きしたい! 今だからこそ、病気と健康の基礎知識を学びます。
企画/島根県・島根大学医学部
①睡眠は体と脳の回復時間
▷寝ている間、体の中では何が起きているんですか?
睡眠は、体の疲れをとるという印象が強いかもしれませんが、同時に脳の疲れもとって回復させています。
そのため、睡眠不足が続くと、疲れの蓄積で代謝が乱れ、肥満や糖尿病、高血圧などの慢性疾患を引き起こしたり、メンタルヘルスに関わるホルモンに影響を与えたりします。
眠る態勢に入るとき、体の中では睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌され、体の奥の深部体温が下がることで休息状態になり、眠りが誘われるようになっています。
▷毎日どれくらい眠れていればいいのでしょうか。
個人差や年齢差などで一概には言えませんが、日中に眠気で困らなければ十分です。
一般的には、25歳で7時間、45歳で6.5時間、65歳で6時間と、加齢とともに睡眠時間が減っていくことが報告されています。
②入眠後2時間が「ゴールデンタイム」
入眠してから1.5~2時間は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、深い眠り(ノンレム睡眠)が続きやすい時間帯です。
ここで、疲労回復に重要な役割を果たす成長ホルモンの分泌がピークになります。
その後は朝に向けて徐々に深い眠りの割合が減り、浅い眠り(レム睡眠)の割合が増えていきます。
睡眠の質は、このゴールデンタイムにかかっていると言っても過言ではありません!
▷ここ最近は寝苦しく、起きてしまうことがしばしば…。疲れもとれにくいです。
暑いと、入眠に欠かせないメラトニンの分泌や、深部体温の低下のサイクルに乱れが起きやすいです。
そのため、夏に睡眠不足を感じる方は少なくありません。
③睡眠の質を高め、夏を乗り切る!
▷質の低下を防ぐにはどうしたらいいでしょう。
\睡眠中の環境や日中の過ごし方がポイント!/
①夏はエアコンの使い方を工夫しよう
温度26度、湿度50%ぐらいが理想の環境環境。入眠30分前にエアコンなどで環境を整えるとよいです。
エアコンのつけっぱなしは体に悪いというイメージを持たれやすいですが、途中で暑くて起きてしまう「中途覚醒」を防ぐことも大切。
睡眠モードや直接風が当たらない機能などがある場合は積極的に活用しましょう。
ただ、冷えすぎはかえって体の疲れがとりにくくなるので、適度な温度設定で、ブランケットなども使ってくださいね。
②就寝前の「光」に要注意
強い光やブルーライトは、メラトニンの分泌を抑えます。
特に、寝る直前までスマートフォンを使うと、脳が覚醒してしまうので控えたほうがいいです。
③日中太陽光を浴びて、活動的に過ごす
メラトニンは、日中に分泌されるセロトニンを原料とします。
セロトニンは、太陽の光を浴び、運動や食事など活動的に過ごすことで作り出されます。
こうしてセロトニンを作っておいた分だけ、夜間に向けてメラトニンに変換されていき、質の高い睡眠を得られます。