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りびえーる編集室でやってみたいけん! 店舗に突撃取材敢行! おうちで作る「たまきのしょけめし」
出雲市斐川町直江に本店を構える「手作りうどん たまき」。
おいしいうどんやそばはもちろん、もう一つの看板とといってもいいほど愛されているのが「しょけめし」。
料理好きなら一度は再現を試みる“山陰のソウルフード”…その秘密に迫り、完全再現したい!
無茶なお願いに応えていただきました!
みんな大好き! 「たまきのしょけめし」
昭和52(1977)年の開店当時からメニューにある「炊き込みごはん」「五目ごはん」。
呼称がまちまちで、実は具材も鶏肉・にんじん・ごぼうの“三目”であることから、数年前に味付けご飯=しおけめしを意味する出雲弁「しょけめし」に統一。
出汁(だし)のきいた甘口の味わいは、うどんにもそばにもマッチ。直江店では「うどん定食」などしょけめしとのセットものが注文の半数を占めるそう。
単品のテイクアウトもあり、唯一無二の味を忘れられない遠方の親族へ冷凍して送るため、大量購入する常連客もいる人気ぶり。
米に具材に一工夫 味付けは企業秘密!?
お話を聞いたのは、玉木製麺専務取締役・佐藤さんと、直江本店店長・松林さん、広報担当・山﨑さん。
「ポイントは白米に甘さと食感を出す品種をわずかに加えていること、具材を油で炒めて加えること。炊きあがりの食感の良さは、この油膜のおかげです」
なるほど…では味付けは?
「全店で味を統一するため、しょうゆや酒などを独自にブレンドした合わせ調味料を使っていますが、各調味料の配合比率は、一握りの社員しか知らない極秘事項なんです」
トップシークレットとは驚き。しかし、そこをなんとか!!
「そうですね、みりんの甘みを生かし、砂糖は風味のあるものを使っています。またうどんの返し(出汁)を使用してうまみを生かし、しょうゆは風味づけ程度…といったところでしょうか」
こうして家庭での再現度を高めるたくさんのヒントを聞き出すことに成功!
“中の人”に聞いた! 「たまきのしょけめし」再現 3大ポイント
シンプルな具材を油で炒めて加える!
セットでも単品でもおいしく食べられるよう、具は3つに抑えシンプルな味わいに。
炒めることでコクが出るだけでなく、炊きあがりの米がコーティングされベタつかない
お米はといだらザルへ
白米に甘さと香ばしさ、食感を出す品種をわずかにプラス。
といでザルに上げておくことで、炊飯中にダシをしっかり含んでくれる。炊飯は時間をかけじっくり
味の要はみりんの甘みとうどんダシのうまみ
みりんのすっきりした甘さをメインに、風味のある砂糖でコクと深みを出す。
自慢のうどんダシでしっかりうまみを効かせ、しょうゆの香りで次の一口を誘う
取材をもとに考案したレシピを公開! りびえーる版 「たまきのしょけめし」
★本レシピはりびえーるが考案し玉木製麺の承認を受けています★
【材料】
米4合…………今回は白米にわずかにもち米をプラス
鶏むね肉(モモでも可)…………小1枚を1㎝程度角に細かく切る
にんじん…………1/2本を薄めのいちょう切りにする
ごぼう…………20㎝(ささがきにする)
※具は米の量に対し1/3程度までに。少なめのほうがより「しょけめし」らしくなる!
サラダ油…………大さじ2
下味 濃い口しょうゆ…………大さじ1
酒…………大さじ1
みりん…………大さじ1
砂糖(今回は三温糖を使用)…………大さじ1
味付け たまきの麺だし…………2パック(600g)
(大手スーパー麺コーナーほかたまき各店でも販売)
みりん…………50㏄
酒…………40㏄
濃い口しょうゆ …………大さじ3
水…………大さじ1~2(全体の水分量を見て加減)
砂糖(今回は三温糖を使用)…………大さじ1
【作り方】
1.米をといで、半日ほどざるに上げておく
普通に1時間程度浸水してざるにあげたものを使っても
2.鶏肉とごぼうをサラダ油で炒め、下味の調味料を入れて軽く火を通す
3.釜に米を入れ、(2)とにんじんを入れる
4.味付けの調味料を加える
しっかり味が付くので、薄味にしたいときはしょうゆの量を減らしたり、濃い口・薄口の使い分けなどで加減してください
5.早炊きにせず、普通炊飯で炊く
ついに食べ比べ! どこまで本家に近づけたのか?!
7月某日、本家「たまきのしょけめし」も準備し、teamりびえーる総勢7人で試食。
炊飯器を開けると、まごうかたなく「たまき」の香り…はたしてその味は?!
「うわぁ、口に入れた瞬間『しょけめし』だ~!」
「味も食感も、方向性が完全一致!」
と再現レシピは予想を超える大絶賛。しかし本家と食べ比べると…違いは歴然。
「上品さで本家は圧倒的!」
「食べ続けても飽きないのはさすがだね」
りびえーる版は全体的に色も味もやや濃い。しょうゆの量や薄口・濃い口のブレンドで加減してもいいのでは…という結論に。
また試作時は米の乾きすぎを懸念し、レシピ外の水分を少々足してしまったが、完全に余分だった。なんと奥が深いことか…
おそるべし本家 (; ・`д・´) !!!
そして導きだされた結論――
「りび版もおいしいけど…やっぱたまきだね…」
「なんならうどんも食べたくなったよ」
「あそこは出汁がうまいんだよなあ…」
そう…どれだけ近づいても、創業当時から重ねられた伝統の味にかなうはずもない。結局求めてしまうのは“あの味”なのであった。
おみそれしました m(_ _)m !!