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WEBでも教えて!青山せんせい 【お金の教育】お年玉、全て預かったらダメ! 編
りびえーる本紙で掲載するたびに大きな反響がある、子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!
【お金の教育】お年玉、全て預かったらダメ! 編
今年も子どもたちが各方面からいただいたであろう「お年玉」。
その管理、皆さんのご家庭ではどのようにしていますか?
預かる派、本人に任せる派、子どもの年齢によっても違うと思います。
お金の価値観を育んだり、失敗も含めて実践的に管理を任せてみるのに、お年玉を使わせてもらってはどうでしょうか。
今回は、日ごろつい避けてしまうことも多い、子どもとする「お金の話」について、一緒に考えます。
それでは今回も…教えて!青山せんせい!
お年玉、どうしてる?
WEB記事をお読みの皆様、どうぞ今年もよろしくお願いします。
今年は新年早々大な災害が起こり、翌日には見たこともない航空事故が起こり、新年のあいさつを言うことが少しはばかられる気持ちでしたね。
さて、子どもたちにとってお正月といえば「お年玉」ではないでしょうか。
子どもが集まれば「いくらだった?」と自慢しあう風景をみました。
最近の子どもたちは、もらう額も大きくてびっくりします。
そして、それを当然のようにしている子どもの姿に違和感を持つのは私だけでしょうか。
子どもがいただいたお年玉は、どのようにしていますか??
よく「親が預かる」とか「貯金している」と聞きますが、これらが一般的な答えではないでしょうか??
「年齢に応じて自分で管理させている」というのもあるでしょう。
おおむね小学生のころまでは、親が管理している場合が多いと思います。
それ以上になると本人に管理させるようなご家庭も多いかもしれません。
それぞれのやり方があるかと思いますが、ひとつ提案させてください。
一部は親に渡した・預けたとしても、
差し引いた残りは子どもが自分で管理することを「信頼して」任せてみてほしいのです。
「使いすぎるから」「心配だから」と親が管理をする気持ちはよくわかります。
しかし、これ実はせっかくの、心の成長としての自立をはばみます。
ここは思い切って「自分で管理する」ということを、しっかりと親子で考えてみるにはいい機会なのかなと思います。
幼いうちほどしっかり話したい「お金のこと」
というのも、子どもたちの中にはお金はどうやって得るのかを知らない子どももいます。
もちろん年齢によってではありますが、「お金を稼ぐ」をわかっていません。
だから、数万円するものを簡単に欲しがったり、せっかく買ってもらったものを粗末にするのです。
また渡したお金を全部すぐに使ってしまったり、小学生くらいの子どもでも簡単に「友達とファミレスにいく」「ゲームセンターに行く」などと言い出します。
しかし、「稼ぐ」がわからないことは当然のことであって、わからないこと自体は悪くないのです。
それを教えないことが悪いのです。
私はそう思います。
お金は働いた対価で得られるんですが、「働くもの」にはいろいろありますよね。
自分が働いたり(労働)、
お金に働いてもらったり(投資)。
今回でいうと、働きもせずに得られたお金(笑)になります。
この「お年玉」をありがたく使わせていただいて、子どもたちにお金の使い方と社会を知ってもらいましょう。
そもそも、お年玉ってなぜもらえるのでしょうね。
親戚やいろいろな人から、なぜもらえるのでしょうか。
まず、「ありがたいね」という感謝の気持ちだけではなく
「なぜこのお年玉を(お金を)あなたがもらえているか」という話をしてください。
以前、塾を開いていたころ、「おれのおばあちゃん、これだけしかくれなかった」と言う子もいましたが、すかさず
「どうしてあなたは何もしていないのにお金をもらえるの?」
「どうして何もしていないあなたに おばあちゃんは大金をあげなくてはならないの?」
そう質問しました。
すると、たいていの子どもは答えられません。
「だってお正月だから」
「だっておばあちゃんだから」
「だってそういうものだから」
そんな答えが返ってきます。
でもぜひ、どうして もらえるのかについて、考えてみてください。
「風習だから」だけではなく、なぜもらえるのかを考えてみましょう。
そして、現在日本人が、日本国内で1時間働いたらいくらもらえるのかについて話してください。
そしてさらに、何時間働いたらこの金額になるのかを話してください。
「子どもとはお金のことを話したくない」と、こういう話題を避けている傾向があります。
「どうして働くの?」と聞かれて、「お金を稼ぐためよ」と言えない親もいます。
でも、全く逆です。
子どもを社会で生きていける人間に育てたいなら、ぜひこういう話を普段からしっかりしておいてください。
お金への価値観を育む…「失敗」も大切!
親に黙って何十万ものゲーム課金をしてしまったお子さんがいました。
親は「自分がさみしい思いをさせた」とか「なにか心に負担があったかもしれない」と話してくれましたが…
それとこれは別です。
さみしい思いをさせたとしても 課金はだめです。
ダメなものはだめ。
それを理解するためにも、普段からお金についての話をしておく必要があるんです。
じゃなければお子さんは、お金というものは簡単に手に入ると思うし、それが簡単に消費する行動につながるのです。
課金したその17万円はどうやって払うのか
親がどれだけ働いて稼ぐ金額なのか
たとえ課金に「理由」があったとしても、気付いているはず。
良くなかった行動だとわかっているはずです。
でもその誘惑に負けてしまったのは、お金に対する価値を理解していないのと、「少しぐらいならいいだろう」という安易な考えです。
そのお金を親御さんがどのように、どれだけの時間を費やして稼いでいるのかを本当に理解したら、二度とそんなことはしないと思います。
だからこそ、何となく責任を教えないことはダメなんです。
とはいっても、何度言ってもわからない子どももいます。
お金に対する無頓着さ…あればあるだけ使ってしまう子どももいます。
これに関してはまたの機会にして、今回は触れないでおきます(ここはちょっとまた別問題なので難しい問題です)。
子どもという、失敗をしても大丈夫な環境にいる間に、
「収入と支出」のバランスを取るお金の使い方を毎月のお小遣いとお年玉を含めた額で
やりくりさせてみましょう。
家庭にお金があるのは、
親が社会の中で働き、その対価として得ている報酬であるという知識を、
大人になるまでの間に子どもにしっかり身に付けさせてください。
親が、稼いでくる【収入】と生活を行う上で必要となる経費=【支出】のバランスを取ることで、家も回っているのだ、ということも子どもは知らなければならないのです。
これらが本当に理解できるのは小学校に入ったあたりからで、それもいきなりではなく、じわじわとわかっていきます。
幼児期はまだそれらは難しく、「お金にはどうやらなにか価値があるんだな」ということがわかるくらい。
だからこの場合、幼児期の子どもにお金の管理をさせるというのは別問題で、あくまでも小・中学生の話です。
失敗は必ずします。
が、そこからの学びが子どもの金銭感覚や心を育てます。
私は、失敗の体験をさせてほしいのです。
上手くやれる体験じゃないですよ。失敗の体験です。
お年玉を使って、金銭感覚と管理・感謝の心を育てましょう!
「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)
親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。
登録者数2.83万人(2024年1月末現在)を数えるYouTubeチャンネル「未来へつながるしあわせな子育て塾」でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。