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ばんだい先生家計アドバイス<40代半ばの専業主婦、夫はひと回り上の年の差夫婦。夫の死亡保障を増やしたい。>

 ☆ばんだい先生 家計アドバイス☆ 

あなたのお宅の家計はいかがですか? 
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。

 

  Q  夫の死亡保障が60歳で減るので、夫が亡くなった後の生活が不安です。夫は終身保険、共済、収入保障保険など最低限の保険に加入しています。60歳までは1,000万円、収入保障保険で月8万円の死亡保障を確保していますが、60歳以降は終身保険の500万円のみになります。保障が減ってから夫が亡くなると、経済的に自分ひとりで生きていけるのか不安です。住宅ローンも残っています。

Aさんの家族構成

Aさん(43歳・専業主婦)、夫(55歳・会社員)の二人暮らし。自宅に居住。貯蓄878万円。家計はギリギリ成り立っている状態。

  A  

保険相談で来社される方は保険料を気にする一方、公的保障の知識は少ない印象です。保険の知識はネットで調べても、その必要性や必要保障額は把握できていないことが多く、さらに保険相談が入り口であっても実は他に隠れた問題、ニーズがあったりします。家計・公的保障や年金・老後の大きな問題が隠れているケースが多いのが実態です。

Aさんは本格的に働いた経験がないため、自分の公的老齢年金が少ないことが不安の背景にあります。夫が追加で保険に加入する場合、いくら?どのように?の2つを考える必要があります。また死亡後だけではなく、夫婦ともに長生きする場合について考えていないのも問題です。そこで、①夫の保障額が減った61歳で亡くなる場合、②夫婦ともに90歳まで長生きする場合の2つに分けて今後の資産の推移を確認します。

夫が61歳で亡くなり、Aさんが90歳まで生きる場合の生活費を試算する場合、1人の生活費は現在の約70%と仮定し約20万円、これを40年間想定します。対して収入は、遺族厚生年金(再婚しない場合)、中高齢寡婦加算、老齢基礎年金があり、夫の退職金、死亡保険金、預貯金を加えます。資産残高は、90歳時1,032万円ありますので、自宅修繕費やAさんの医療・介護費を考慮しても大丈夫そうです。Aさんには遺族厚生年金の知識がないことが自分の年金だけでは暮らしていけないとの誤解になっています。住宅ローンは、団信があるので夫死亡時に残債はなくなります。夫がサラリーマンの場合、先に亡くなるケースは意外と何とかなるもので、これは若い世代の方にも当てはまります。

実は、問題なのは②の方です。Aさんの不安の本質は「老後」であり、夫婦ともに長生きする場合の確認は重要です。ともに90歳まで長生きすると想定し計算します。夫は65歳でリタイアする予定で、現在の生活費28万円をベースに考え住宅ローン残債800万円の返済を加えると公的年金収入だけでは老後は持ちません夫の雇用延長、Aさん自身も夫65歳まで年収100万円で、パートで働くなどの仮定で試算して初めて成り立つことが分かります。収入増が難しければ、生活費を見直すという方法もあります。Aさん自身の生命保険の必要性は低いので、これを解約して保険料負担を減らすという選択肢もあります。住宅ローンの残債は、既に繰り上げ返済の利息節減効果はないことからそのままにして預金を残します。

Aさんは、友人などから「ご主人が年上だから一人になった時のことを考えた方がよい」と言われることが多く、そのことだけに意識が向いていましたが、このように問題の本質は別にありました。

【アドバイス】

(1). 夫死亡の場合、公的保障を含めて収支を確認します。

(2). 二人とも長生きする場合も検証します。

(3). 無理のない範囲で収入を増やす選択肢は、事前に検討しておく必要があります。

 

ばんだいこうじ

年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。

松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計300棟以上の家づくりを実際にサポート。

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