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ばんだい先生家計アドバイス case.75<老後に漠然とした不安が!>

 ☆ばんだい先生 家計アドバイス☆ 

あなたのお宅の家計はいかがですか? 
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。

 

  Q  :ともに60代前半の夫婦です。体調面の変化もあって老後に漠然とした不安があります。

Aさんの家族構成

Aさん松江市在住(62歳/会社員)、夫(62歳/会社員)、ともに65歳で退職予定。子ども2人は既に独立。

  A  

弊社でマイホームに次いで相談が多いのは老後不安です。ほとんどの人が老後の生活設計はどうしたら良いのかという漠然とした不安を抱えています。私も66歳ですのでまさに当事者です。実感として年を重ねるとポジティブに考えられないことが増えてくることも背景にあります。80歳程度の平均寿命を前提に「教育」「仕事」「引退」の3段階でライフコースを考えるのは実情に合わなくなり、個人に合わせ考え直す必要があります。

老後生活を支える資金計画では、何を行い、どんな生活をしたいか考え、それを実現するために必要なお金のプランを立ててみます。つまり「漠然とした不安」を「具体的な不安」に置き換えることで問題の解決へと進めることができます。老後に必要な資金は、ライフスタイルの違いや介護など不確定要素と個人差が大きく、こうした方法で現実を把握します。

家計調査から見えてくる定年後の収支の目安は、毎月支出約26万円、年金を含めた収入は約24万円で月約2万円の赤字。令和5年簡易生命表によれば、65歳男性の平均余命は84歳、女性は89歳、令和6年に62歳のAさんは、65歳定年で25年間を老後期間と考えると最低600万円が必要であり、これに介護やリフォーム費用を加えた経済的余裕が必要となります。

定年まで厚生年金を掛けながら共働きの夫婦は、定年後余裕が見込まれます。現役時代に自分の年金額は分かりにくいため、厚めに貯蓄や個人年金に回している方が多い印象です。将来の不安という理由だけで、現在の生活を犠牲にして貯蓄や個人年金、年金保険に回す方がいますが、まず大まかに将来の現金収支を知っておきます。年金定期便では、受け取る年金見込み額は50歳未満の方は支払った保険料に対する年金額、50歳以上の方は60歳まで保険料を支払ったと仮定した年金額です。正確な年金額を知るには日本年金機構HPへログインして調べる必要があります。

一方、自営業の方は、国民年金だけならさらに不足しますので、小規模企業共済やイデコが対策となります。住宅ローンや子育てが終わると急激に収支が改善する場合が多いので、キャッシュフロー表で裏付けをしておくのがポイントです。

定年後、年金をもらいながら働く場合の妥当な月収はという質問も受けます。基本的には年金と給与を合計した金額が50万円(令和6年度)で減額されてしまう在職老齢年金のラインを一つの目安として考えて就業します。自分にとって必要な毎月の収入を明確にし、在職老齢年金を考慮した上で、いくらまで稼ぐのが妥当か考えると答えが出せると思います。

前向きに60代が人生の黄金期と言う人もいます。子育てが落ち着き、定年退職を迎え責任や役割から解放され自分の人生を自分自身でコントロールできるようになるからです。健康寿命を踏まえて前期高齢者の定義である75歳ぐらいまでにお金をやりたいことに使うという考え方もあります。老後を一くくりにするより前半(75歳まで)と後半(75歳以降)で生活スタイルもさらに変わるので妥当な考え方かもしれません。ただし、老後の後半で必要になるかもしれない医療・介護費の考慮・手当ては必要です。

定年後の注意として、細かい経済プランはたてない/資格をとれば何とかなるは捨てる/他人の評価を気にしすぎない/定年後の田舎暮らしはよく検討する/健康オタクになりすぎない/お金をつかうことには疑うことも……などといわれています。最後に配偶者に感謝し良好な関係を築くこともお忘れなく。

【アドバイス】

(1). 漠然とした不安は放置しても消えることはありません。

(2). 漠然とした不安を具体的な不安に置き換えることが第一歩。

(3).  そうすることで同時に問題点と解決策が見えてきます。

 

ばんだいこうじ

年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。

松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計300棟以上の家づくりを実際にサポート。

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〒690-8668 松江市殿町383 りびえーる担当「家計アドバイス」係
WEB(http://www.myhome-meister.jp/)でも受け付けしています。 

※希望者には面談にて詳細をお答えします。

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