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「元気」のための基礎知識《11/11~11/17 全国糖尿病週間 糖尿病予防のために 編》<PR>

30代に突入した「大」の今年の目標は心身ともに健康第一! 将来の自分や家族のために、病気と健康の基礎知識を学びます。

《企画/島根県・島根大学医学部》

【今回の先生】

島根糖尿病支援機構理事長

並河内科クリニック(松江市)院長

並河 整 先生

糖尿病を知ろう

▶糖尿病はどんな病気ですか?

食べ物から摂取したエネルギー源である「ブドウ糖」は、血液に乗って全身の細胞に運ばれます。

インスリンは血液中のブドウ糖の量(血糖値)をコントロールしています。

このインスリンが不足したり、うまく働かなかったりして高い血糖値が続くと糖尿病と診断されます。

血糖値が高い状態が長期間続くと血管の内膜が徐々に傷み、目や腎臓、神経などに関わる合併症や動脈硬化を引き起こす危険性が高くなります。

▶自覚できる症状はあるのでしょうか?

初期は、ほぼ無症状です。

そこが糖尿病の怖さの一つで、健康診断などで「血糖値がやや高め」と指摘されても放置したままだと、知らず知らずのうちに合併症のリスクを高めることになります。症状が気付いた時には進行していた、ということもあります。

「痛みもなく仕事などで忙しいと「まぁいっか」という気持ちになるかもしれませんが、気づきの放置が危険なんですね」

先生「その通りです。血糖値の高さを指摘されたら油断せず、医療機関を受診しましょう。生活習慣を見直すことで改善も期待できます」

糖尿病を予防するために

▶糖尿病のリスク因子はなんですか?

日本人に多い糖尿病の主な原因は、インスリンの作用など遺伝的に弱い体質のほかに、肥満・運動不足・喫煙・ストレスといった生活習慣や加齢が関係しています。

糖尿病は発症後の完治は難しく、生涯付き合っていく必要があります。予防には生活習慣の見直しが第一で、早めの発見・治療につなげるための定期的な健診の受診も大切ですよ。

糖尿病治療のいま

▶医療の進歩で変わったことはありますか?

新しい薬の開発や血圧・コレステロールなどの治療の進歩により、「糖尿病になると10年寿命が短くなる」と言われていた時代は終わりを告げつつあります

糖尿病になっても、食事と運動、薬物療法を組み合わせる一人一人に合った総合的な治療で健康長寿も目指せるようになっています。

▶身近な人が糖尿病になったら、周囲が気を付けることはありますか?

糖尿病になる原因はさまざまなので、努力不足などと安易に否定的な見方をしないことがまずは大切です。

家族の場合は、朝ごはんを抜かない、規則正しい生活リズムで過ごす、おかずは一人ずつ皿に盛るなど、みんなでライフスタイルを見直すきっかけになるといいですね。

一緒に頑張ることで患者さんにもいい変化が出てきます。

今回のまとメモ♪

「人生100年時代、まずは一人一人が糖尿病に対する正しい理解と予防の意識を深めることが大事ですね」

先生「糖尿病になったとしても我々“生涯にわたる伴走者”とともに、「90歳を元気に迎える」を目指せることを多くの方に知ってもらいたいです」

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