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ばんだい先生家計アドバイス case.76<定年直前の共働き夫婦と建て替え>
☆ばんだい先生 家計アドバイス☆
あなたのお宅の家計はいかがですか?
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。
Q :数カ月後に夫が定年退職します。今まで古い家で我慢してきましたが、これを機に家を建て替え理想の暮らしを実現したいと思います。私たちの老後はもちろんですが、長男への資金援助、娘には別の形で資産を残したいなどについてもアドバイスをください。
Aさんの家族構成
Aさん(59歳・会社員)、夫(64歳メーカー勤務)来年定年退職、子ども2人は既に独立。
A :
意外に60代での新築は多く、弊社でも今年3件目になります。老朽化やライフスタイルに合わない間取りの不満を老後に適した住みやすい家に建て直すことで解消します。
老後には、良い意味での3Kが必要です。まずは健康、2番目が心(生きがい)、最後に経済(足りるだけのお金で十分)です。お金は最後ですが、でも、ないと困ります。これら老後の夢が詰まった将来家計簿を作成することが最初のステップになります。
建て替えのポイント
若者が住みやすい家とシニアが快適に過ごせる家は違います。①余裕のある時間を快適に過ごせる空間づくり、②家事や介護にはバリアフリー化、あるいは移動距離を少なくした動線と間取り、③耐震性と断熱性能を高め老後の身体の安全・安心を実現するための性能、④夫婦の寝室配置などが大事なポイントになります。さらに広いバルコニーや植栽を減らし手間の掛からない外構プランなどもポイントになります。Aさんも亡くなった両親が大切にしていた庭木・庭石が名残惜しいとのことでしたが整備・移植することにします。
資金面のポイント
不動産を次の代へ残す必要がある場合、60歳代の新築では資金の大半は現金手配が原則になります。逆に一定の現金を残す必要がある場合、一部住宅ローンで対処することになりますが、返済年数が20年以下や団信によっては加入できないなど制約があります。
今後の生活に不安があるだけに、老後資金も用意しておかなくてはなりません。Aさん夫妻は共に定年前後まで就労した場合、老齢年金受給額は年額370万円(月額31万円)になります。今後の給与と退職金は資産形成に回します。公的年金と個人年金に対し、基本は生活費を見直し年金内の支出で暮らすことが原則になります。
資産管理の一例としては現在ある金融資産を用途別に分けて管理する方法があります。「使うお金(生活費1年分や車の買い替えなど)」は普通預金へ、「減らしたくないお金(次代への援助、医療介護、葬儀代など)」は投信、定期預金や一時払い保険へ、「運用するお金(株式投資など)」は証券会社へ、年金の一部は「楽しみに使うお金」とし明確に区別し、お金の色分けで将来を具体的に考えます。
生命保険については、家族構成や資産状況から、必要保障額は大きくないと思われます。医療費については、自家保険的に資金を用意していますので、無理な追加はせず、現在の保険にがん特約を付加して内容を充実させ、入院日額5,000円のものをそのまま続けることにします。
お子さまへ残す遺産については、前出の資産配分が準備となりますが、特に娘さまへの配慮には遺言の作成をお勧めします。最後に体力・気力の充実した60代のうちに決断し、先を見据えた住み替えを成功させてください。
【アドバイス】
(1). お金には限界があります。その中で夢を予算化します。
(2). 新築の間取りは、新たなライフスタイルをプランしていく気持ちが必要です。
(3). 高齢者の保険は大抵現金で対応できます。無理な見直しは不要です。
ばんだいこうじ
年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。
松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計300棟以上の家づくりを実際にサポート。
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