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「元気」のための基礎知識《メンタルヘルスについて理解しよう 編》<PR>

30代に突入した「大」の今年の目標は心身ともに健康第一! 将来の自分や家族のために、病気と健康の基礎知識を学びます。

《企画/島根県・島根大学医学部》

【今回の先生】

島根県立心と体の相談センター所長

精神科専門医

岡﨑 四方先生

メンタルヘルスについて

メンタルヘルスとは直訳で「心の健康」。

穏やかな気持ちで過ごせたり、やる気が自然に湧いたり、心の調子を保てると充実した生活を送ることができます。

一方で、誰でもストレスや気分の落ち込みを自覚することはありますよね。

人間関係や仕事、介護、子育てなど日常の中でストレスを感じるのは自然なことです。

ある程度のストレスは刺激になることもあります。

▶なぜ今、メンタルヘルスが注目されているのでしょうか?

不安感や気分の落ち込み、過度なストレス状態が長引くと、日常生活に支障をきたす「心の病気」を発症するリスクがあるからです。心の病気は、一度発症すると回復に時間がかかります。体と同じように、心も不調の段階で自分自身や周囲が早めに気づき、適切に対処することが大切なんです。

大 「痛みなどがないからこそ、心の健康にも気を付けないといけないんですね」

先生「自分自身のことはもちろん、身近な人の心の健康にも意識を向けることが大切ですよ」

心の病気は誰でもかかりうる病気

近年、心の病気にかかる人は増えていて、5人に1人が生涯に一度はかかるとされています。

心の病気は一言で、脳の機能に障害が起きる病気です。

決して特別なことではなく、誰もがかかる可能性のある病気です。

自覚できない場合や見た目にも分からないので、ひと昔前は「甘え、気の緩み」といった偏見や間違った認識を持つ人も少なくありませんでした

今は脳の病気として認知が広がりつつあります。

心の不調は気づきにくい

心の調子が崩れても、特定の症状が表れるわけではありません。

誰でも日常生活の中で経験するような変化で、精神面だけでなく体や行動面に表れることが多いです。

サインに気づかなかったり、気づいていても放置されたりすると、治療が必要な心の病気に移行する可能性があります。

何げないサインを見逃さないことが重要です。

心の病気を予防するためにできること

▶ストレスとうまく付き合っていくために必要なことはありますか。

まずはストレスを感じた時に自分でストレスをコントロールする方法を知ることです。

心の調子がいい元気な時に、自分に合った対処法を見つけておくと安心ですね。

先生「不安や不眠を解消するための飲酒はおすすめできませんよ」
▶身近な人の心の不調のサインに気づいた時は…。

心にかかったストレスは自分で解消する以外に、家族や同僚、友人らのサポートによって緩和されることもあります。

責任感が強い人ほど不調を自覚していても「弱いと思われるかも」「迷惑をかけたくない」などという理由から周囲にSOSが出せず、抱え込みことがあります。このときに周りが手を差し伸べられるかどうかが重要です。

特別なスキルは必要なく、落ち着いた環境で話す/最後まで話を聞く/相手を否定しないなど、自分が聞いてもらいたい姿勢で相手の話を聞くことを心がけてください。特に心の不調で変化が表れやすい睡眠や食欲については、日常会話の延長から様子をうかがいやすいです。

話を聞いてもらうことで心が軽くなることもあります。必要がある場合は専門家(精神科医など)や相談機関につなぐサポートをするようにしましょう。聞いた内容の秘密を守ることや、相談をつなぐ時の本人の意向確認は大切にしてください。

今回のまとメモ♪

「今回のテーマは自分と自分の周りの人を守るためのお話でした」

先生「これを機に一人一人のメンタルヘルに対する理解が深まるとうれしいです」

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