SPECIAL TOPICS

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もっと話そう! 認知症のコト

2025年、65歳以上の5.4人に1人が認知症患者に?

 9月21日は、国際アルツハイマー病協会(ADI)が世界保健機関(WHO)と共同で制定した世界アルツハイマーデー

 高齢化が進む日本では認知症の患者数も増加しており、推計によると2025年には5.4人に1人程度が認知症になる試算も

 誰にでも起こるものと考え過度に不安になることなく適切なサポートにいち早くつなげるためにも、もっと認知症について話をしていきませんか?

【お話を聞いたのは】… 松江市社会福祉協議会 地域包括ケア推進課 錦織 満さん・新宮三浦子さん

まずは知りたい! 認知症の基礎知識

認知症の人は増えているのですか?

平均寿命が男女とも伸び、人口の中で65歳以上の高齢者割合が増えたことで増加傾向に。

85歳以上で約半数、95歳以上では約8割の人が認知症になるデータもあります。

医療へ相談し、診断を受けるなどで以前より顕在化しやすくなったことも要因の一つです。

 

認知症=物忘れといったイメージがありますが、どのような症状がありますか?

確かに物忘れなどは最もわかりやすい症状で、患者さんの6~7割ともいわれる「アルツハイマー型」では特に顕著

ですが、認知症にもさまざまな種類があり、脳内のどこに影響が出るかで症状が違ってきます。

いくつかの症状を併せ持つ「複合型」もあります。

認知症には薬もあるのですか?

現時点では国内認可薬は4種類あり、症状の進行度合いによって処方されます。

開発中のものもあり、種類は増えることが見込まれていますが、薬効は症状改善ではなく進行を遅らせるもの

より効果を得るためにも、何より早期発見・早期治療がカギです。

 

なるべく早く気づくには?

やはり「物忘れ」がわかりやすいです。

例えば加齢による物忘れが夕食に何を食べたのか思い出せないのに対し、認知症による物忘れは夕食自体食べたかどうか思い出せないため、年相応のものとは明らかに違い、生活に支障が出てきます。

古い記憶は比較的覚えているのに、今話したことを覚えていられないのも特徴的。

感情のコントロールが難しい時間や場所の把握・物事を順序だてて考えることが難しいなどの症状も発見の手がかりです。

認知症を疑うとき、まずどうしたらいい?

内科などでもいいので、最初はかかりつけ医へ相談を。専門医や詳しい検査へつなげてくれます。

また、居住エリアの地域包括支援センター(呼称は自治体によって違うことがあります)にもできるだけ早いうちに相談してください。

地域活動など社会参加の機会を紹介できるので、病気の進行を遅らせる、医療支援と並走したお手伝いができます。

社会からの孤立も認知症を進行させることがあるんですよ。

適切なサポートを受けることでこれまでどおり暮らしている人も多いですから、不安になりすぎないでくださいね。


本人が病院に行きたがらない場合は…

そんなときにも、遠慮せず地域包括支援センターに相談してください。

けがや風邪などと違って、患者に明確な病識がないことが多いので、本人が納得がいかず受診が遅れるケースはよくあります。

症状が進行する前に、どうサポートするか一緒に考えていきましょう!

 

さらに知りたい! 介護サービスの利用

40歳以上の人が被保険者として保険料を負担する介護保険。介護や支援が必要と認定されたとき、費用の一部を負担してサービスを利用できます。

デイサービスなどを利用するには

自宅での介護は技術的・精神的にも負担が大きいもの。

世間体への不安や遠慮から一歩目が遅れがちですが、介護保険サービスを利用するには要介護度を認定するための申請が必要です。

利用開始までおおむね1カ月程度かかるので、深刻な状態になる前に動くことが大切です。

早期に相談をしていれば、この待機の間に患者本人に合わせた施設を見学・体験することも可能です。

 

認定調査で、より正確に現状を伝えるにはどうしたらいい?

患者さんによっては「自分は病気じゃない」との思いやその日のコンディション由来で、調査日に実態より軽度な印象にふるまう人も。

本人を前に「本当は普段は…」といった話はしにくいもの。

日頃の様子や、大きなトラブルがあった場合は日にちや時間・行動内容など、できるだけ詳細にメモしておいて、調査員に伝えていただくと助かります。

調査員にとっても、現状を正確に把握することは大事ですから。

 

相談員から、りびえーる読者へ伝えたいこと

周囲の目が気になったり、介護サービス利用に、マイナスイメージがあり、誰にも頼らないでいた結果「こんな状態になるまでよくがんばっていましたね」と声をかけたくなるケースも。

働く人が多い現代は、家族だけで介護するのは本当に難しい

患者・家族が心の余裕を取り戻すためにも、適切な対応やサービスに結びつくことは、けして「手抜き」ではありません

介護職従事者には認知症ゆえの行動を認めたりうまくほめたりするスキルがあり、患者さんの自己肯定感を支えられます

最初は抵抗があったデイサービスに進んで行きたがるようになった、いい表情が増えた、困った行動が減った…そんな話を聞くと私たちもうれしいです。
 

家族・ご本人ともに、笑顔が増えていくことを願っています!

 

話すことで寄り添いあう! 認知症カフェ

患者本人や家族が、気軽に思うこと・悩みを話せる場所として、各地で行政や各種団体が運営している認知症カフェ

松江市では不定期開催も含め9月現在6件が活動中。

「まつえオレンジカフェ」は、松江市介護保険課が中心となり、地域包括支援センターの支援員や松江認知症家族の会の皆さんが迎えてくれます。

 

困りごとを解決に導くヒントが見つかりやすいメンバー構成

特に家族会の会員は認知症介護の経験者や現在進行形で介護をしている人なので、具体的なアドバイスが役立ちます

この日の参加者からは「共感してもらえることが励みになる」という言葉も。

話すことでひとときでも肩の荷を下ろせるのだと感じました。

 

「人に知られることに抵抗がある…皆さんから聞くことです。

しかし人とのつながりが希薄になると、症状は一層進んでしまいます。

患者さんも家族も、誰かと話すこと、関わることがとても重要なんです」と松江市介護保険課の大藤恵理さん。

 

本人も家族もオープンになれることが大事ですし、そうなれる社会にしたいですよね。

今は認知症の人もサポートがあれば仕事を続けられる時代。

ボランティアに携わり、有用感や自己肯定感が上がることで心が前向きになった例も。

ここがよりよい支援や交流の窓口になればと願っています」

 

島根県の認知症カフェ一覧は こちらから

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