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WEBでも教えて!青山せんせい <子どもの思春期は親の気づき次第! 前編>

 りびえ~る本紙で掲載するたびに大きな反響がある、子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。

就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。

子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!

子どもの思春期は親の気づき次第!<前編>

子どもの精神的な成長で、避けて通れないのが10代に訪れる“思春期”。

「何を言っても反抗してケンカが泥沼状態…」「どう接したらいいかますますわからない」…今まさに頭を悩ませている人もいるのでは(編集担当もしかりです!)。

でも、思春期は「親の気づき次第」。子ども自身の成長力を信じ、本当の自立を支えるために、親ができることってなんでしょうか?

前編では、子どもの思春期を通して親である私たちが自分自身を見つめ直す大切さ、子育てと向き合うためのヒントをお届けします! (後編はこちらから!

それでは今回も…教えて!青山せんせい!

 

子どもの思春期は、自分自身を見つめ直す絶好の機会

私は、子どもの脳の発達と、心の発達を考えるとき、思春期を前期と後期に分けて考えています。思春期の前には「前思春期」という3年間もあります。

ちなみにこの分け方は、社会的な環境と実際に相談を通して出会った子どもたちの様子をみながら、子どもの育ちを段階に分けて分析し、導いたものです。

そして、身体だけ大人になって心が成長していないと、この思春期に人は大きくバランスを崩してしまいます

おそらく、子どもが小さくて手が焼けるときは、

「早く大きくなって欲しい」

そう思って日々を生活していたかもしれません。

大きくなれば子育てが楽になると思っていたので、そう願うのですが、楽になるには“子どもが成長していたら”という条件が付きます。

つまり、子どもの心を成長させていなければそれは無理な話。

 

思春期の子どもたちの心を理解し、彼らの成長する力を支えることは、複雑で、なおかつとても重要なんです。

 

なにかで見たオトナとは『子どもの前で大人としてふるまえる人』という言葉に、なるほどと思いました。

子どもたちには、オトナ心と子ども心を行ったり来たりできる人になってほしい。

 

一方で、親である私たちの多くは、自分の中にある子ども心を否定して、オトナになり切れていない大人なのではないでしょうか。

だから、そんな自分に嫌気がさしているし、大人みたいなことを言う子どもに腹を立てる。

それが理解できたら、親も生き方が楽になるかと思います。

「わたしの思春期」を思い出して、関わり方のヒントを見つけよう

ここで少し、皆さんの思春期時代を思い出してみてください。
誰にもわかってもらえないと思っていたあの頃…

なぜわかってもらえないと苦しんでいたんでしょうか。
なぜ親は、子どもに対して執拗(しつよう)に過干渉なんでしょうか。


私たちは思春期を経験した当事者だったのに、いつの間にかそのときの気持ちを忘れてしまいます。
それはどうしてなんでしょうね?

 

私は今年51歳になるのですが、子どものころに想像した51歳は相当おばあちゃんで、相当オトナな人格を持っているのだと思い込んでいました。

しかしいざ自分が50を過ぎると、ぜんぜん何も変わっていないことに気が付きます。

だから私は大人ぶらないし、オトナとしてわかったふりして子どもに偉そうな口はたたけません。

なぜなら、あの頃の気持ちをいまだにリアルに思い出すし、同時にあの頃の気持ちをリアルに実感できないことにもどかしさも感じるからです。

 

私たちがあの頃の気持ちを忘れるのは、それが実感できないからなのではないでしょうか。

 

心配されたくない   でも、心配をしてほしい

 

関わってほしくない   でも見放されるのはいや

 

ひとりにしてほしい   でも孤独はいや

 

できると思っている   でも、できなかったらどうしよう

 

何も言わないでほしかった   でも、見ていて欲しかった

 

信じてほしかった、

わかってほしかった、

否定せずただただ話を聞いてほしかった

だから、きれい事ばかり言う大人に嫌気がさしている…

 

あの頃思春期を経験した自分。今、親として思春期の子どもと関わっている自分。

重ね合わせて、思い出してみたら、見えてくるものがありませんか?

そうです。

オトナは…親は、「自分の不安を消そうとしてるだけ」です。

子育ては“子どもを育てている”ものと思うかもしれませんが、実際はそれだけではないです。子どもを育てることで、自分を育て直すといっていいかもしれません。

あの頃取り逃がしたり、やり逃してしまった多くのことを、子どもと一緒にやり直します。

これは、お母さんだけでなく、お父さんも一緒。 親子みんなで育ち合うのです。

 

あぁ、私の親も一生懸命だったんだなぁ…

必死だったんだな。

子どもである私を今の私と同じように愛して、不安で仕方なくて、

それを消したかったんだな…

 

思春期に親との関係で傷ついたことがある人は、そう思って、自分の親を許してください。

恨みから恨みは消すことができませんが、認めたら消すことは可能です。

学びと共に、消えてくれます。

そうしたら、親である自分自身の思春期のトラウマが、思春期の子育てを通して解消していきます

 

自分自身の思春期を思い出しながら、あなたの子どもに向き合ってみてください。

その一言は、必要ですか?

あなたは、どうしてほしかったですか?

 

 

「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)

 親学ファシリテーターとして4000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。

 登録者数1.91万人(8月現在)を数えるYouTubeチャンネル未来へつながるしあわせな子育て塾でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。

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