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ばんだい先生家計アドバイス<50代独身女性、障害年金を受給中。会社を辞めても大丈夫?>

ばんだい先生家計アドバイス~ここがポイント

☆ばんだい先生 家計アドバイス☆

 あなたのお宅の家計はいかがですか?ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。

50代独身女性、障害年金を受給中。会社を辞めても大丈夫?

Q:数年前に大病を患い、休職・復職を経て障害等級2級に認定され、障害年金を受給しています。手足が不自由で体力的につらいため、できれば退職したいと思うようになりました。障害年金はどうなるのか? 老後資金は大丈夫なのか知りたい。

Aさんの状況 / 米子在住
Aさん(53歳、会社員)。独身で相続した実家にひとり暮らし。住宅ローンはありません。障害等級2級に認定され、障害年金を受給中。個人年金保険契約(払い込み済み)は60歳から10年間、毎年120万円受給予定。

A:独身のAさんに支給されているのは、障害基礎年金(約78万円)と障害厚生年金(約70万円)です。障害厚生年金は、障害認定日時点で加入期間が300月(25年)を超えています。

 退職後の障害年金は、障害等級の変更がなければ金額は変わらず、また65歳以降は障害年金と老齢年金のいずれかを選択する必要があります。選択の基準については、基礎年金部分と厚生年金部分で異なります。

 老齢基礎年金は、課税所得となるのに対し、障害厚生年金は所得税・住民税ともに非課税です。社会保険料への影響を考慮すると、障害基礎年金を選択したほうが有利と言えます。厚生年金についても同様で、老齢厚生年金が課税、障害厚生年金は非課税という違いがあるのに加え、支給額も異なります。

 加えて老齢厚生年金は、障害認定日以降に納めた保険料や加入期間も計算に反映されます。従ってAさんは老齢厚生年金の方が支給額が多くなることがあります。ただしAさんのケースでは老齢厚生年金の繰り下げ受給は申請できません。65歳が近づいたら年金事務所で具体的な年金額を確認し、いずれかを選択することになります。

 早期退職ですが、障害年金だけで生活するのは困難です。これに関しては将来家計簿で確認します。日常生活費は現状のままとし、また自宅は一般的なリフォームを2回程度行うと想定します。金融資産と退職金は具体的に計算し加算します。年金は障害厚生年金を選択し、現在と同額支給が続くと安全側の仮定をします。また払い済みの個人年金保険から10年間は毎年120万円受給できます。結果、Aさんは大きな支出が生じなければ、早期退職しても老後資金が不足することはなさそうです。

 金融資産を運用して、老後資金を多めにするという提案もあるかもしれません。確かにAさんの年齢を考えれば今後20年程度の運用は可能ですが、今までその経験がないこと、そもそもの必要性がないことや精神的負担を考えればお勧めしません。退職する場合、健康保険の任意継続を選択すると2年間は保険料負担を抑えられる可能性があります。将来家計簿を作成することで早期退職も可能であることが分かります。

【アドバイス】

①障害年金と老齢年金の選択は65歳前に確認すること。

②早期退職の可否は将来家計簿で判断。

③退職後の社会保険も確認すること。

ばんだいこうじ

年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、年間30棟以上の家づくりを実際にサポート。

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