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ばんだい先生家計アドバイス<定年を目前に家を建て替えたい!>

ばんだい先生家計アドバイス~ここがポイント

☆ばんだい先生 家計アドバイス☆

 あなたのお宅の家計はいかがですか?ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。

定年を目前に家を建て替えたい!

Q:定年直前の夫婦です。今の家は親が建てた家で冬は底冷えし台所も不便です。ずっと我慢してきました。老後のために体にも楽な家に建て替えたいと思います。予算はいくら出しても老後は安泰でしょうか?

家族構成

夫60歳年収680万円、Aさん58歳パート勤務年収96万円、子ども1人はすでに独立。

貯蓄残高1700万円(定期預金など)、住宅資金の贈与600万円。

とにかく冬暖かく家事動線の楽な住宅を希望。

A:大変多い相談です。老後は収入・支出共に費目が限られ、生活費・老齢年金・遺族年金を確認し将来家計簿を作れば予算額は簡単に答えが出ます。一方、典型的な落とし穴は、①住宅ローンと手持ち現金のバランス、②設計・住宅性能と予算のバランスで、この2つには細心の配慮が必要です。

予算額

現状の基本生活費年間324万円なら、住宅予算は2500万円が上限となります。解体、外構工事も含めると、ご要望の平屋の高気密住宅を建てることは難しいでしょう。基本生活費に正解はありませんが、弊社顧客平均の年間290万円以内に収め、かつ生命保険料を89万円まで減額できれば、住宅予算は3500万円確保でき、現実的な建て替えプランが可能です。

住宅ローンと手持ち現金

「住宅ローンは定年までに完済、老後は借金をしない」とはよく本に書いてあることですが、一方「一定額の現金は残しておく」という現実に即した考えも必要です。この際、住宅ローンは借入時と完済時に年齢制限があり、借入期間は最長約20年となります。団信にはさらに厳しい年齢制限が付きます。今回、住宅ローン借入2500万円を20年で返済した場合には、利息合計は238万円になりますが、これを住宅ローン控除と普通団信が終了する13年目に全額繰り上げ返済760万円を行うことで利息を185万円まで圧縮し完済することができます。この計画により生涯の預金残高は最低1000万円をキープできます

間取り・住宅性能と予算

建築費の知識がないためか高額になる間取り・住宅性能を要求し、見積額を見て驚く方が多いのが実態です。実は設定した予算内に収めるためにはココの部分のカウンセリングが非常に重要です。夫婦の老後に向かい、優先することと諦めることの現実的な選択が必要です。

遺族の生活

 不幸にもご主人が亡くなった場合の考察も必要です。Aさんが受け取る遺族年金は年間154万円、これに生命保険給付と預金残高が加算され生涯の生活は余裕を持つことができます。もちろん、住宅ローンは繰り上げ返済まで団信の保障が付きます。

【アドバイス】

①家の予算は根拠のない希望額ではなく、現実的なプランで老後の確認を行うこと。

②生命保険の死亡保障は遺族年金と見比べると節約できます。

③常に見積額を確認しながらデザインを進めること。

ばんだいこうじ

年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、年間30棟以上の家づくりを実際にサポート。

相談者募集

 ばんだい先生に家計相談したい読者を募集しています。紙面では仮名とさせて頂きます。質問内容と住所・氏名・電話番号を書いて下記へ。WEB(こちらから)またはメール(myhome@itn21.net)でも受け付け中。また希望者には面談にて詳細をお答えします。

〒690-8668 松江市殿町383 りびえ~る担当「家計アドバイス」係

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