読みもの
エンディングノートを活用しよう
家族のために 自分の思いを伝えるために
エンディングノート を活用しよう
昨今、「終活」という言葉を見聞きすることも多くなり、自分の思い・希望を伝える「エンディングノート」に関心を持っている人も多いのではないでしょうか。
島根県司法書士会では、一昨年から同会ホームページにエンディングノートを公開。だれでもダウンロードできるようになっています。
同会の広報委員会委員長を務める司法書士・岡圭介さんにエンディングノートの利点などについて聞きました。
エンディングノートの作成・公開された経緯
広報委員会で、「終活」への関心が高まるなか、家族に対する思いを書き残すことで、紛争の解決や予防につながるエンディングノートを作ってはどうか、需要があるのではということが取り上げられたのがきっかけとなり、作成が始まりました。
司法書士は、相続についての専門家でもあり、関連したコラムも載せてはというアイデアも出て、司法書士会ならではの役立つコラム欄もあります。
より多くの人の目に留まり、活用していただけるのではということから、ホームページで公開し、ダウンロードできるようにしました。
エンディングノートを書くことで、どんな利点がありますか
遺言書に比べ、気軽に書けるところは利点だと思います。
遺言書は、亡くなった後のことを書きますが、エンディングノートは生前のことも書け、例えば、終末期医療のことなど遺族の道しるべとなります。また、葬儀についても希望が書いておけるので、遺族は故人の希望に沿うことができます。
財産を書いておくページがありますので、亡くなられてから通帳を探したりする手間が省け、相続手続きもスムーズに進みます。
どう活用してほしいですか
形式は自由で、書きたいところから書けばいいですし、書きたくないところは書かなくてもいいですし、何回書き直してもいいです。気軽に書いてみてください。
これまでの人生を振り返り、整理し、今後、より充実した有意義な人生となるよう、エンディングノートを役立ててください。
注意することがありますか
エンディングノートは、法的効力はありません。遺族がエンディングノートに従う義務もありません。
大事なもののしまい場所や暗証番号などの、他人に知られてはいけないことまでは書かないでください。
エンディングノートを書いても、誰も分からない場所にしまいこんでいると意味がないので、頼れる人がいれば、その人にエンディングノートの存在だけは知らせておきましょう。
エンディングノートを書いていてよかった一例
通帳
通帳が見つからないと、どこの銀行に口座があるか分からず、探すのが大変です。最近、スマートフォンで管理できるスマート通帳やネット銀行など、デジタル化されていると特に分からなくなっています。エンディングノートに、銀行口座が書いてあると遺族の安心につながります。
不動産
土地や建物、山林などの所有不動産が、亡くなられた方の住まいと同じ市町村にあればいいですが、住んでいないところにあると、言われないと分からないものです。「○○町に土地がある」ということだけでもいいので、書いておきましょう。
お金を貸している
人にお金を貸している場合、借用書の場所を書いておくことをおすすめします。
借金がある
遺族が、相続放棄を検討する材料になるので、借金についても書いてあると良いです。借金していることを知らずに財産を相続してしまうと、借金も相続することになります。相続すると放棄できなくなるため、事前に借金があると分かっていれば、相続放棄を検討できます。
取材協力/島根県司法書士会(松江市殿町、℡0852‐24‐1402)。
※エンディングノートの書き方やコラム解説を行う出前講座も開催しています(団体向け)。
エンディングノートがほしいと思ったら…
エンディングノートを無料配布している市もあります(りびえーる調べ ※名称や記載する内容は、市によって異なります)。
【松江市】 「終活支援ノート 私の思いをつなぐノート」を無料配布しています。
【出雲市】 「あんしんノート」を無料配布しています。市ホームページからダウンロードもできます。
【安来市】 「大切な方への 絆ノート」を無料配布しています。市ホームページからダウンロードもできます。
【江津市】 「わたしの未来ノート」を無料配布しています。市ホームページからダウンロードもできます。
【米子市】 「もしもの時のあんしん終活支援ノート」を無料配布しています。
【境港市】 ※市独自では作っていませんが、鳥取県西部医師会作成の「もしもの時のあんしん手帳~大切な人に伝えたいこと~」を活用しています。