読みもの
「元気」のための基礎知識《血圧について知ろう 編》<PR>
30歳を前に体の変化を感じながらも目を背けてきた取材班の「大」。
健康に長生きしたい! 今だからこそ、病気と健康の基礎知識を学びます。
企画/島根県・島根大学医学部
① 高血圧は合併症の“引き金”に
日本人の約3人に1人が高血圧と推定される今、誰にとっても身近な話題かと思います。
高血圧とは血圧が高い状態が続くことで、「最高血圧140mmHg以上」「最低血圧90mmHg以上」で診断されます。
高血圧には種類があり、原因が特定できない「本態性高血圧」、血圧を上昇させる病気による「二次性高血圧」に分かれます。
一般的に高血圧の約9割が「本態性」で、このうちの約6割が遺伝、約4割が生活習慣に関係していると言われています。
▷自覚できる症状はありますか?
ほとんどの場合で自覚症状はありません。
高血圧が続くと、血管は常に張りつめた状態になり、時間をかけて厚く、硬くなっていきます。
これを動脈硬化と呼び、脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる合併症を引き起こす原因になります。
② 血圧を正しく測って健康の指標に!
血圧は測る時の体調、時間帯、温度などの影響を受けて常に変動しています。
自宅では正常値なのに病院などで血圧が高くなる「白衣高血圧」や、
反対に、病院などでは正常値で自宅では血圧が高くなる「仮面高血圧」といった方も多くいます。
自分の血圧の平均値や変動の傾向を把握しておくと、健康状態を知る一つの指標になりますよ。
《正しい血圧の測定方法》
タイミングは?
朝晩の2回測定しましょう…【朝】トイレを済まして朝食を摂る前 【夜】就寝前
\各2回測りましょう!/
姿勢は?
・肘より2、3㌢上にカフ(腕帯)を装着する。
・椅子の背もたれに軽くもたれ、カフを巻いた部分が心臓と同じ高さになるよう高さを調整する。
ポイント!
①自宅で測定しましょう(毎日同じ環境下で測れるため)
②測定前は、1~2分安静にしましょう
③測定時、厚着はしないように
④寒い時季は部屋を適度に暖かくしてから測定しましょう
③ 小さな積み重ねが予防と改善に!
「高血圧=減塩」というイメージはありませんか?
食塩を取り過ぎると、体内のナトリウムと水分の量を調整するために血液量が増え、高血圧になります。
そのため、高血圧の予防、改善に、「塩分の摂取制限」が不可欠なのです。
日々の食事を薄味にしたり、塩分の多い料理は食べる量を減らしたり、減塩を心掛けましょう。
喫煙や飲酒は控え、運動不足を解消することも大切です。
《心がけよう》
●減塩を意識する
●喫煙・飲酒は控えて、運動を習慣に
●定期的に(毎日が理想)血圧を測る
④ 教えて!血圧にまつわる素朴な疑問
Q1 血圧の数値に左右差があったら気にするべき?
A 左右で数値に10~20以上の差がある人は、腕の血管に狭い部分がある可能性が考えられます。一度、精密検査を受けることをお勧めします。
Q2 高血圧は男性に多く、女性に少ないのはなぜ?
A 喫煙、飲酒などの生活習慣の影響が大きいです。
また、女性は女性ホルモンが血管を守っているのも関係します。半面、閉経後はその役割が弱まっていくため注意が必要です