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WEBでも教えて!青山せんせい 子育て終盤は自立へ近づく「お父さん時代」! 編

りびえーる本紙で掲載するたびに大きな反響がある、子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。

就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。

子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!

子育て終盤は自立へ近づく「お父さん時代」! 編

お母さんにべったりだった子どもたちが徐々に離れていき、やがてお父さんに影響され始めると、

今までなんでも“お母さん”ばっかりだったのにと寂しくなったり、
「子どもに一番手がかかった時代は何もしなかったくせに」とお父さんにモヤモヤしたり(世のお母さんたち、お疲れ様です!!)。

一方で子どもによっては過度にお父さんを意識して、避けてみたりすることもありますね。

“お父さん”がいてもいなくても、心の成長の中で必ず通っていく、父性を求める時期。

今回は、子どもの自立のカギとなるこの「お父さん時代」についてのお話です。

 

それでは今回も…教えて!青山せんせい!

 

「お母さん時代」から「友達時代」、そして「お父さん時代」へ

こんなことを言うと怒られそうなんですが…

 

「子育ての方法」をよく聞かれるんです。

子育てって「断片的」なものではなく、「日常そのもの」が子育ての方法…というか手段になっているんです。

 

子どもの性格という“質”もあり、複合して総合的に成り立っていきます。

同じように育てても正確に違いが出てくるし、場合によっては反面教師になってそのままというより逆に作用したりします。

良いも悪いも影響するから「日常が子育てそのもの」なんです

 

子どもたちは、周りの人とかかわりあいながら

影響しあって育ちます。

 

その影響する相手は、幼いころは親が一番の影響力があり、次第に友達や第三者へ移っていきます。

子どもの育ちの初期は、子どもは「自身の精神的な安心安全の確認」を最優先するので、影響する相手は主に母親になります。

わたしはこれを「お母さん時代」といっています。

その後「友達時代」が来て、迷い、不安になる時代が来ます。

そこでこの「お母さん時代」に築いた「精神的な安心安全」な場所が効いてきます

 

そして、思春期になりいよいよ自分はどんな人間か・どう生きたいのかと自分探しが始まると「お父さん時代」が始まります


 

お父さんに意見を聞いてみたり

お父さんの意見が深く心に刺さったり

お父さんと急に仲良くなったり

また逆に、お父さんを過度に避けるようになります。

 

わたしは、こんな行動を見せる子どもたちを見ると「父性を確認」してるんだなと思いほっとします。

 

以前、小学校6年生の息子さんと急に仲良くなった旦那さんに対して、

「子育ての大変な時期(幼児期)は関わらなかったのに…。
大きくなって手がかからなくなったら急に子供にかかわる姿を見て、今まで自分が築いた子どもとの関係性を横取りされたようで悔しいと感じてしまう…」

というご相談がありました。

 

(といっても、このご家庭の場合はお父さんが子育てに「関わなかった」のではなく、関わなかった、というのが現実に合ってるかな…
というのもそのころ、このお子さんはお母さんが怖く、お母さんの顔色をうかがいがちだったので、お母さんにお父さんと仲良くすることに対して罪悪感を感じて、お父さんに構えなかったんです。お父さんも同じで 奥さんの様子をうかがい子どもにかかわれなかったのです

 

思春期にこういった行動を子どもが見せたとしたら、
それはあなたの子育てがうまく行っている証拠。

 

うまくいった=お母さんの存在に安心できている・お父さんとお母さんの関係がうまく行っているように感じている。

だから、お父さんの存在を確かめるのです。

 

 

お母さんの存在を自分の心の土台とし、充足したから
今度は自身の育ちのバランスをとるために、お父さんを求めるのです。

 

もちろん「お母さんが怖すぎてお父さんをそのよりどころとする」とか「お母さんに甘えられないのでお父さんに甘える」というケースもありますが…

 

この時期のお子さんが

 

お父さんに意見を聞いてみたり

お父さんの意見が深く心に刺さったり

お父さんと急に仲良くなったり

お父さんを過度に避けるようになったら 

 

「お父さん時代」が来たんだな、と一息ついてください。

お父さんがいない… でも大丈夫です

さまざまな事情で、お父さんがいない環境で子育てを頑張っている人もいますね。

でも「自分が父親の代わりをしなくては!」と気負わなくてもいいです。

どういうことかというと、

それはそれで子どもは、

おじいちゃんとか、先生とか、親戚とか

身近で頼れる誰か(ナナメの関係)から生き方を学びますので

厳密な意味での「お父さん」でなくても、そこは気にしなくてもいい、ということです。

 

むしろあなたが「父親の代わりをしなくては!」と思うほうが不自然になります。

 

「お父さん」と会えるのなら、会えばいい。

でももちろん、様々な事情があると思いますので…

 

ここで大事なことは、

「父親」を求めるというより「父性」を求め
母性を突き放すということ。

 

お母さんによっては、急に子どもが自分に冷たくなったとか、甘えてこなくなったと感じることもあります。

もしかして 自分の関わりが悪かったのではないかと急に不安になる方も多いです。

しかし、

この思春期というタイミングで母性を突き放すことに対して、不安にならなくてもいいと思います。

それは子どもの精神的な自立において大切なことなので、むしろ突き放させる必要があります

寂しい気持ちはあるでしょうが、いよいよ子どもが「自立」に向かっているんだなと思ってくださいね。

 

「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)

 親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。

 登録者数3.14万人(2024年3月末現在)を数えるYouTubeチャンネル未来へつながるしあわせな子育て塾でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。

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