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WEBでも教えて! 青山せんせい 【不登校】“学校へ行きにくい”への新学期前アドバイス 編

りびえーる本紙でも大きな反響をいただいている子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!
【不登校】“学校へ行きにくい”への新学期前アドバイス 編
二学期目前、学校に行きにくい子どもたちを見守る大人には、つい「今学期こそ!」と期待や焦りが浮かぶもの。
学校に「行ってほしい/行ったほうがいい」…思っていることは、実は大人も本人も同じ。
今回は、この時期しっかり思い出しておきたい重要なポイントを、改めてお話しいただきました。
それでは今回も…教えて!青山せんせい!
新学期目前…焦りや期待に流されない
いよいよ二学期が始まりますね。
準備がはじまるこの時期、お子さんの学校への行きづらさを感じている親御さんは多くいらっしゃると思います。
一学期に行き渋って、学校に行けなくなったまま夏休みを迎えたら、なおさら「今学期こそは…」という期待と、お子さんの実際の気持ちとのギャップに悩む日々を送っているかもしれません。
親御さんの「学校に行きなさい」という言葉は、お子さんにとって大きなプレッシャーになっているかもしれません。
本人は行かなくてもいいとは思ってもいません。
実は子どもの方が「ねばならない」ことはよくわかっているんです。
「子どものため」「将来のため」という気持ちはもちろん大切ですが、場合によってはお子さんの気持ちに寄り添うことが何よりも重要です。
今、親たちに思い出してほしい2つのこと
お子さんの気持ちに共感してみてください
「学校に行くのがつらいんだね」
「どうして学校に行きたくないのか、教えてくれる?」
など、お子さんの気持ちを素直に受け止めることが大切です。
ただ、答えは出ませんよ。
言語化はできません。
むしろ、黙り込んだり、「宿題が…」「先生が…」「お友達が…」と、親が納得しそうで自分自身も納得しそうなことを言います。
「学校が怖い」ともいいます。
でも理由は学校ではないのです。
無理強いはしないでください
「行きたくない」という気持ちに無理やり反対するのではなく、「今は学校に行くのが難しいんだね」と認めてください。
わたしはよくこの言葉を使います。
「今は学校に行けないだけ。(いつかは行く)」
この気持ちで見守ってください。
すぐに行動を改善できないのは当然です。
私たち親も、すぐに行動を変えることはできないものです。
よく私のコミュニティでも言うのですが、「痩せたい」と言って簡単に痩せられる大人はいない。
人は言うのは簡単で行動するのは難しいのです。
だから、待ってあげてくださいね。
もちろん、単にめんどくさい気持ちがわいてきて学校に行きたくないと言っている子どももいます。
「学校めんどくさいな」って誰もが思いますよね。
だから、行きたくないといっても最初は少し促すことも必要です。
少し押してみる でも 引いてみる
この塩梅が必要なんですよね。
学校に行きたくないといわれたら親はだれでも焦ります。
あぁよかったとは思いません。
だからこそ、子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら、もしかしたら…大げさでしょうが、親子で生き方を変えるときなのかもしれません。
ただ、早期に「学校には行かなくてもいい」「フリースクールに行こう」と答えを見つけようとしない方がいいです。
お子さんの話を聞く 受け止める
共感する 認める
それだけで安心して自分を取り戻し、学校に行くようになるお子さんもいます。
事をせいてはだめです。
「どうしたらいい?」「何かできることはない?」お子さんと一緒に問題解決に取り組む姿勢を見せることをしてくださいね。
お子さんの成長は一人一人違います。
焦らず、ゆっくりと見守ってあげましょう。
言葉を掛ける上で注意したい重要なポイント
私は、子どもと接する中で、家族の意見がみんな一緒ではなくてもいいと思っています。
しかし、この不登校や学校行渋りの場合は逆です。
家族みんなで…つまり、両親・祖父母が同じ方向を向いて、お子さんを理解しサポートすることが大切です。
これだけで、安心した子どもは学校に戻っていくことができます。
その際に、否定的な言葉は避けるようにしてください。
「ダメだ」「どうして」「なぜ?」という言葉は、お子さんの自信をなくさせてしまいます。
外の世界に対して不安感を持っているのです。
夏休みの間、学校というコミュニティを離れ、久しぶりに登校するときに少し緊張感を持つのは当たり前です。
だからこそ、行渋りを見せる場合もあります。
その気持ちも理解しつつ、少しだけ背中を押すことも必要なんです。
難しく感じるでしょうが、でも簡単です。
お子さんを観察して、「今どんな気持ちなんだろう」と考えることが必要なんです。
観察することの大切さを子どもが教えてくれているのかもしれません。
学校に行きづらいという気持ちは、本人にとっても、家族にとっても辛いことです。
しかし、この状況を乗り越えるためには、お子さんの気持ちに寄り添い、根気強くサポートすることが大切です。
とはいっても寄り添う=甘やかすではありません。
背中を押すことも大事ですし、甘えを認めることも大事なんです。
だから、焦らずゆっくりとお子さんのペースをつかみながら改善していくことに取り組みましょう。
大人の「学校に行きなさい」という言葉には、決して悪気があるわけではありません。
当然のことですし、大事なことです。
このようなことを思ってはいけないとは思いません。
しかし、「行きたくない」といったお子さんにとっては大きなプレッシャーになる可能性があります。
「学校に行きたくない」をただ受け入れるだけではダメ
でも、「学校に行きなさい」だけでもダメ
観察して最善を模索する=考えて行動する=自分にとっての最適解を探すことが必要な時代です。
もしかしたらそれは子どもだけではなく、親にも今、最も求められていることなのかもしれません。
「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)
親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。
登録者数3.81万人(2024年8月末現在)を数えるYouTubeチャンネル「未来へつながるしあわせな子育て塾」でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。

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