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保存版!! 世代をこえて伝えたい「お盆」の飾り方
お盆が近づくと、お仏壇の前や床の間に準備する「お盆飾り」。でも毎年、置く順番や位置で「どうだったっけ…?」と苦労していませんか?
宗派やお寺、ご自宅の考え方でも違いはあるようですが、帰ってくるご先祖さまたちの霊を心を込めてお迎えする気持ちは同じ。
山陰では比較的多いといわれる禅宗のオーソドックスな様式を一例に、飾り付け方を学んできました!
取材・撮影協力/勝部石材店
床の間での盆棚の飾り付け
①掛け軸…ご本尊にあたる。最も上位になるので、盆棚の後ろに掛ける。
②上 段…ご位牌を置く。向かって右側が上座にあたるので、右から初代に近い順で置く。
③中 段…中央にお茶や砂糖湯(砂糖をお湯で溶いたもの)を、左右にお供え物を置く。向かって右に果物、左に菓子などを置くことが多い。
④下 段…お膳(「霊供膳(れいぐぜん・りょうぐぜん)」とも)を中央に置き、左右に灯火、両脇にお花を供える。精霊馬もこの段でよい。
⑤経 机…線香、香立てなどを置く。
⑥盆提灯…もともとは縁側や玄関近くに飾ることが多かったが、仏壇や盆棚の脇に置くことも。
精霊馬とは?
キュウリとナスに切った割りばしなどを刺して、それぞれ馬と牛に見立てたもの。祖霊を家まで運ぶのは脚の早いキュウリの馬。お送りするのはゆっくり歩くナスの牛。
「待ち遠しい」「名残惜しい」気持ちをこんなふうに表す日本の文化を、ぜひ子どもたちにも伝えたいですね。
置き型仏壇でお盆を迎える
コンパクトな置き型仏壇。ご位牌などを置いたまま、仏壇の中に飾り付ける一例です。
①上 段…ご本尊、ご位牌。
②中 段…お茶、果物や菓子などのお供え。
③下 段…香立て、灯火、花立、精霊馬など。
④引き出し…引き出し式の棚にお膳とりんを置いています。
⑤盆提灯…写真ではコンパクトな置き型仏壇に合わせ、台の上に置ける小型の提灯を選びました。
祖霊が“わが家”に迷わず帰ってこられるよう、目印として灯します。家紋入りのものがあるのはそのため。一対で飾ることが多いですが、住宅事情もあるので現代ではあまりこだわらなくても大丈夫。大きさやデザインもさまざまです。