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ばんだい先生家計アドバイス case.81<リタイア直前の夫婦、老後資金が不安! 暖かく、虫の入ってこない家が欲しい!!>

☆ばんだい先生 家計アドバイス☆
あなたのお宅の家計はいかがですか?
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。
Q :
夫リタイア後、年金だけでは生活費が足りません。老後に預金を取り崩すことになると思うと不安です。さらに自宅は老朽化がひどくリフォームにいくらかかるか分かりません。冬は室内でも底冷えがして、夏は虫が入ってくるのでとても嫌です。
Aさんの状況 / 出雲市在住
Aさん(63歳・パート勤務)、夫(63歳・60歳定年後、現在の会社に再就職・65歳で完全リタイア)、長男と長女は既に独立し、夫婦二人暮らし。
A :
Aさんの相談は、老後資金と住まいについての2つです。
最初に現状について将来家計簿で試算して老後資金が不足していないか確認します。試算の結果、住まいが今のままだと仮定しても80歳時点で貯蓄残高はマイナスとなり、家計破綻となる結果ですので、まず生活そのものを改善する必要があります。
これには、現在の1,500万円の貯蓄と予定される退職金を含んでいます。今の生活費とチェックリストから定年後の生活費の予測と問題点の把握はできますのでその減額、車買い替えと維持管理費用の減額あるいは取りやめといったことは必須です。
これだけでも収支は大きく改善します。
住まいについて、自宅に住み続ける場合にはリフォームや2世帯住宅への建て替え、不動産担保型生活資金制度といった選択肢があります。
住み替えなら、買い替えや売却して賃貸、高齢者施設への入所などの選択肢が考えられます。この中から本人の希望や予算、介護や相続などを考慮して選択することになります。ご要望をかなえるためにリフォームした場合、最低限2,500万円以上はかかる上、元々の築年数が古いのでリフォームして終わりではなくさらに定期的に修繕費用がかかり現実的な選択肢ではありません。
一方、新たに市内に土地から買い求める資金的な余裕もありません。マンション住まいは生活スタイルから希望されていません。また暖かい家という性能には強いこだわりがあります。以上から隣の自己所有地に2人用の平屋を新築するという結論になりました。もちろん、予算は厳しいので初期の建築プランをしっかり作成した上で、これが実行可能な建築業者と交渉する必要があります。
住宅資金手配については、全額現金がご希望でしたがこれだと将来、預金が底をつきますので一部は頭金を用意し、住宅ローンの選択をサポートします。
老後の公的年金では繰り下げ受給をご希望でした。確かに夫が受給を5年繰り下げると年間89万円多くなります。ただし、これを選択した場合には69歳から79歳まで貯蓄残高にほとんど余裕がない状態になりますので賛成できません。参考として繰り下げによって受け取らなかった65歳から70歳までの分は、約12年(82歳)が収入ベースの分岐点です。
複合的な改善により、70歳以降は生活費の多くを年金で賄え、年間収支は毎年50万円程度のマイナスから、毎年79万円程度のプラスに改善されます。80代でも680万円以上の貯蓄が維持でき、100歳時にもマイナスになることはない見込みです。
できれば50代ごろから夫婦で話し合い、60代で建て替えなど、計画的に実行に移すことが重要です。
【アドバイス】
(1). 将来予測の試算で現状を理解します。
(2). 不動産では相続人も交えて事前協議が必要です。
(3). 基本設計を作成した上で業者と協議します。
ばんだいこうじ
年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。松江にあるFP住宅相談所では松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計300棟以上の家づくりを実際にサポート。
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