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ばんだい先生家計アドバイス case.82<家計が苦しく借金を繰り返しています>

☆ばんだい先生 家計アドバイス☆
あなたのお宅の家計はいかがですか?
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。
Q :
貯蓄もなく生活に困っています。夫が一時的に働けなくなって収入が減ったこともあり、家計が苦しい中で借金をするようになりました。返済からさらに借り入れを繰り返しています。生命保険も多数で家計のやりくりができず、税金も滞納し何をどうすればいいのか分かりません。
Aさんの状況 / 出雲市在住
Aさん(45歳、会社員)、夫(50歳、会社員)、長女(23歳、社会人)、次女(17歳、高校生)
A :
Aさんの第一印象は、借金を返済しながらの生活は精神的な負担が大きく仕方なく相談にきた雰囲気でした。このような場合、何より本人に精神的な負担をかけないことに配慮し、正確さを求めないヒアリングを行います。同時に、通帳のコピーやクレジットカードの明細、銀行口座の記録から情報整理することで家計と借金、税金の滞納や延滞税の詳細が分かります。これが月額157,000千円で、この負担が大きく生活費が出せないため、クレジットカードで支払い、それを翌月以降に返済していくという繰り返しになっていた実態が分かります。将来に対する不安やご夫婦の思い、友人の勧めで複数の保険にも加入しており、その保険料が月額50,000円にもなっています。なお、これには教育ローンの返済も含まれていますが金額からいって合理的な選択とはいえません。
まず借金返済のために家計を見直すのではなく、家族の未来のために家計を見直すと考えを変える必要があります。その後、具体的には車を手放してローンを含む自動車維持費の支出減、生命保険の見直しと解約。これら一連の家計の見える化で、家計と向き合う・支出を減らし家計を改善しようという気持ちを持ってもらいます。家計の見える化とは、支出を使い道の決まっているお金・将来のためのお金・借金返済のお金・生活のお金など、目的別に整理することを指します。
その後ですが、当方だけで解決できる相談内容ではありませんので、行政各所や支援機関への紹介や連携が必要になります。各種制度を利用して精神的にさらに前向きになれれば、生活の再生に向けて動き出すことができます。まず紹介したのは厚労省が行う生活困窮者自立支援制度です。これは各市町村に窓口があり、その中の家計改善支援事業(家計再建支援)で家計相談のほか各種助成制度の申請、支援機関窓口への同行なども行ってもらえます。その他として住居確保給付金、生活福祉資金貸付、各種社会保険料の減免や徴収猶予など、さまざまな支援があり、これらの利用を検討することもポイントになります。同時に納税課との協議も必要になります。これらは困窮状態から脱するお手伝いだけでなく、生活を再生するために必要な支援の柱です。
債務整理のための解決策は、自己破産・個人再生・特定調停・任意整理などの法的救済を検討・活用することになり、弁護士あるいは司法書士の支援が必要になります。
Aさんは、まだまだ生活再建の途上ですが、どのような状況でも前向きになれる要素はあると思います。
※制度の最新情報は厚生労働省ホームページ等をご確認ください
【アドバイス】
(1). 困り事を理解するための質問であることを理解する。
(2). 家族の未来のための見直しであることを理解する。
(3). 家計の見える化は、改善支援の最初の一歩です。
ばんだいこうじ
年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計350棟以上の家づくりを実際にサポート。
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紙面では仮名とさせていただきます。
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〒690-8668 松江市殿町383 りびえーる担当「家計アドバイス」係
WEB(http://www.myhome-meister.jp/)でも受け付けしています。
※希望者には面談にて詳細をお答えします。

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