読みもの

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創る◇◆◇手織り作家 川島聡子さん【出雲市】

糸の色に魅せられて

あるクラフト展で糸ボタンと初めて出合ったときのこと。細い糸が上になったり下になったり、糸の色の配置が変わり、幾何学模様などの複雑な柄を作り上げる。どうなっているのか、糸をたどりながら見れば見るほど引き込まれて、長い間見つめていた。

作者は「ビビッときたら深掘りしたくなってのめり込んでしまう」と明るい笑顔で話す川島聡子さん。糸色あそび手おりつる家として、テーブルセンター、ストラップ、しおり、コースターなどの手織り作品や、ブローチ、ネックレスなどに仕上げる糸ボタン雑貨の制作などを手掛けている。

「手芸とは無縁で興味もなかった」川島さんが、ある日、職場で機織りの糸がずらりと並んでいるのを見て「なんてきれいなんだろうと、ビビッときた」。それまでも見えていたはずなのに、なぜかその日、突然の感動に包まれ、すぐに卓上織り機を購入し、冊子を見ながら織り始めた。

糸ボタンとの出会いもまた突然だった。糸を使って織りの他にも何かしたいと思い、調べているときにたまたま目に入ってきたのがヨーロッパの伝統的な手芸・糸ボタン。

「何これっ!!きれいと、またビビッときて」。

ワークショップで習うより、自分で文字を見て習得していく方が合っているからと、本などを参考に試行錯誤。

どちらも色の組み合わせが「楽しくて楽しくて。以前はあまり心ひかれていなかった赤や紫も今はきれいだなーと思うようになって、差し色としても魅力を感じています」とますます夢中。特に糸ボタンは細い糸や太い糸、サリーの生地を裂いて糸代わりに使うなど、素材も「面白そう」「合いそう」の感覚を大切にオリジナリティーを追求し、「私の作品と分かるものを作りたい」と話す。

織りや糸ボタンを制作後に、他のパーツを合わせてストラップやアクセサリーなどの作品に仕上げたときの達成感はより大きく、喜びもひとしお。

「実用に向くものを作っていきたい。どんどん使ってほしい」

織りと糸ボタンは「今のペースでじっくり腰を据えて今後も続けたいが、最近、パラコードの作品制作も始まり、さらに「裂き織りにも興味があり、カジュアルで明るい雰囲気のものを作りたいと、創作意欲は高まるばかりだ。

プロフィール

かわしま・さとこ 1962年生まれ。

2013年に手織りを、15年から糸ボタンを作り始める。手作り雑貨店などでの販売を通し、見てもらったり使ってもらったりする喜びを感じ、17年から本格的にハンドメードイベントに出店。6/6~8イオンモール出雲、7/10~14コバコ(松江市)でのイベントに出店。各種問い合わせはInstagram「@teori_turuya」から。

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