読みもの

読みもの

あそびばキッチン♪ 栄養士の日々のつぶやき

 

★あそびばキッチン★

キッチンはココロがワクワクする遊び場。
食事を楽しみ、ココロとカラダに幸せエネルギーをチャージしましょう!

 

 \ 栄養士の日々のつぶやき / 

あなたは片手だけで料理をつくることができますか? 「材料を洗う」「皮をむく」「切る」 「炒める」「味付け」など、すべての工程を片手で……。

数年前のことですが、身体に障がいをもつ方を対象としたおやつ教室の講師のお仕事をしたことがあります。参加者は、車いすの方や聴覚障害の方など、身体の状況も、年齢もさまざま。

その中に左手が不自由な女性がいらっしゃいました。その女性は、フルーツ白玉に入れるメロンを切る作業の担当。メロンの皮といったら厚くて包丁で切るのも力が要りますし、種もあるので片手での作業は難しい。お手伝いをしよう、と思ったちょうどその時、その女性はいとも器用に、メロンを割り、皮を除いてカットして、作業を完了。主婦の方だったので普段から料理をされているのでしょうけれど、左手の甲や親指の付け根も器用に使い、その鮮やかな手さばきに、あっけにとられた場面でした。

 

その時、ふと、ある講演会での車いすアスリートの言葉を思い出しました。

 

 

車いすアスリートの言葉

「障がいのない方は、障がいのある僕をかわいそうと考えるかもしれないけれど、車いすで競争したら、きっと僕が勝ちますよね。障がいをもつ人の方が優れていることもたくさんあるのです。私たちは弱者ではない。ぜひ同じ目線で、同じ競技をやってみてください」

東京オリンピックの後で開催されたパラリンピックでは、たくさんのパラアスリートが活躍し、私たちに感動と勇気をもたらしてくれましたが、スポーツの場面以外でも、体にハンデをもつ方の所作や姿勢にはっとさせられる場面があります。

今、自分の身体や能力に対し、命に対し、感謝をすることを忘れ、なんの努力もしなければ神様に与えていただいた身体がもったいない…そんな思いをもたらしてくれた一場面。こうした出会いがあるから栄養士の仕事はやめられない!

指導:佐々木 久美さん
(あそびばキッチン 管理栄養士)

山陰中央新報文化センター講師・日本体育協会公認スポーツ栄養士

Instagram:こちらから

一覧へ戻る