読みもの

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創る<水引作家 藤原 京子さん>(大山町)

見て「かわいい」結んで「楽しい」遊び心あふれる作品

 色とりどりの水引で作る祝儀袋やピアス、バングルなど、水引作家のgocco(ゴッコ)こと藤原京子さんが生み出す作品は、品のある華やかさとかわいらしさを併せ持つ。

 「『人生はゴッコ遊び』をテーマに、遊びながら自由に自分が欲しいと思うものを形にしている」と笑顔で話す。結ぶ固さや大きさ、何本取りで色の順番はどうするかなど、その表現は限りなく、感性の赴くまま手を動かす。


 もともとアクセサリーや服など、ものづくりが好きで、特に伝統的なものにひかれ、水引にも興味を持ち独学で創り始めた。水引は「色や形に意味があり、色の豊富さとリボンや因州和紙などの他素材との組み合わせも面白く、失敗してもやりなおせる柔軟さもあるところが魅力」と話す。基本の結び方にアレンジを加えたオリジナルの造形は、見ているだけでワクワクするが、装いにプラスすることで、より気持ちが上向く。

 「伝統工芸というと難しいイメージかもしれないけれど、パッと見てかわいいとか、チョウの形だなどと思えるとぐっと身近に感じます」。見て「かわいい」結んで「楽しい」作品を届け、気軽に身に着けてもらいたいと考えている。それは、身近に普通にあることが、伝統がつながっていくいいかたちではないかと思っているからだ。
 水引にたくさんの人との縁を結んでもらったと感じている。今後も「楽しむことを忘れずにできる範囲でやっていければ」と肩肘張らない自然体の制作が続く。

<プロフィール>
ふじわら・きょうこ 1982年生まれ。大阪府出身。2016年、大山町にIターンし、地域おこし協力隊として活動後、グラフィックデザイナーとして独立。一方で水引ブランドgoccoを立ち上げ、山陰全域を中心に各地でイベント、展示会出展・ワークショップなどを行う。平野屋呉服店(米子)では月1回ワークショップ開催。問い合わせはメール(nfoepj299@gmail.com)で。フェイスブック(こちらから)などでも情報を発信。

 

(記事は2022年2月21日現在)

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