読みもの

読みもの

創る<ガラス作家 かわなべ かおりさん>(出雲市)

温かみ伝わる使いやすい器を

 「心がほっこりするような、ぬくもりを感じてもらえたら」と話すのはガラス作家・かわなべかおりさん。やわらかい光をまとったような、なめらかなカーブを描く作品は手にする者にほほ笑みを届ける。

 比治山短大で彫刻を学んだかわなべさん。子どものころからガラス好きで、ものづくり好きだったことからガラスに彫刻をしていたが、吹きガラスを習ったことをきっかけに楽しくなり、器制作に傾倒していった。

 吹きガラスの魅力は「素早く仕上げないといけないところと、こんな器があるといいなという思いを形にできるところ」と話すが、「最初はできなくて、悔しくて悔しくて」と振り返る。

 しかし、吹きガラスの先生からかけてもらった「継続は力なり」「初めからできるわけではないから、日々の努力を忘れずに!」の言葉を胸に励んできた。

 当初は自分のデザインを前面に出した、ガラスが目立つ作品だったが、徐々に使いやすい色や空間になじむように、料理が引き立つようにと「使いやすく持ちやすく」を一番に考えるようになってきたという。

 「温かみがある手作りならではの良さを知ってほしい。体験を通して、大変だけどきれいだなとか、一個一個作っているんだとか、思ってもらえたら」とガラスを語るかわなべさんは、ギャラリーの作品以上に輝いていた。

<プロフィール>

かわなべ・かおり

1977年出雲市(旧平田市)生まれ。98年比治山短大美術科彫刻コース卒業、2000年東京ガラス工芸研究所卒業、01年エズラグラススタジオblowグラス塾卒業後、同スタジオでスタッフとして勤務。10年~16年、富山市での制作活動を経て帰郷。

16年ガラス工房Izumo設立(出雲市斐川町出西1341-1 電話0853-77-5159)。伊丹国際クラフト展、金沢oneわん大賞展、島根県総合美術展など受賞歴多数。

吹きガラス体験など、詳しくはこちらから

 

(記事は2022年2月8日現在)

一覧へ戻る