読みもの
創る<トルコ手工芸作家 阪本 理恵子さん>(松江市)
現地で学んだ絨毯やキリム技法伝える
松江市内だということを忘れてしまうようなエキゾチックなしつらいの工房で作品制作をするのは、トルコ手工芸作家の阪本理恵子さん。
大学院時代にトルコへ初めて行ったとき「絨毯(じゅうたん)やキリム、絵皿など、色の組み合わせに魅せられた。
たくさんの色を使い、合わないように思ってもしっくりなじんでいる」と感動した。
就職後もトルコを旅しては手仕事や料理を学んだが、10年前に仕事を辞めて単身トルコへ。
絨毯の産地として知られるドシャメ・アルト地方に住み込んで絨毯の織り方の指導を受けた。
「織り始めたころ、あまりに大変で『3日ほど留守します』と言って、ドイツへ逃げ出したことがあった」ものの、最後まで仕上げた一枚は、大切な宝物。
もともとスカーフなどの縁飾りに使われたイーネオヤという、縫い針で編むトルコ伝統の繊細で緻密なレース編みも学ぶ。
花などのモチーフが多く、平面だけでなく立体的にも編み、額飾りやアクセサリーなどに仕上げている。
他に、エブルというマーブルアートの個人レッスンも受け、技を習得。
いずれの作品も「色使いを意識して制作する。色合わせは難しいけれど面白い」と阪本さんの笑顔が輝く。
「トルコの食や手工芸を日本のみなさんに紹介したい」と、キリムやイーネオヤなどのワークショップを通じてトルコの魅力を伝えていく。
さかもと・りえこ
1971年生まれ。トルコの村に住み込み絨毯を織ったり、イーネオヤ講座を受講したり、エブルの個人レッスンを受ける。2013年~16年にはトルコで飲食店を経営。17年に帰国後、トルコ・地中海料理の店「やかもずキッチン」(松江市西川津町787-38、予約制)をオープン。同店でグループレッスンを開催(1回2~3人、要予約)。問い合わせは080-1153-1841。
詳細はブログ「やかもずキッチン」で検索(こちらから)。山陰中央新報社文化センター特別講座開催。
(記事は2022年2月28日現在)