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やってみたいけん!<あご野焼き作り>青山蒲鉾店(松江)

 愛媛から山陰に嫁いできた際に、初めて食べた「あご野焼き」のおいしさに感動した。山陰地方では、トビウオのことを「あご」と呼ぶそうだ。

 一体どうやって作るのだろうと思い、あご野焼きの炭火焼きが体験できる「青山蒲鉾店」へ向かった。

(りびえ~る編集室・「津」)

◆本場の本物
 あご野焼きは、氷のない時代に漁師があごをすり身にして竹に巻き付けて焼いたことから始まる。その後、製法は炭火焼き、機械化による大量生産に変わっていった。

 青山蒲鉾店は享保12(1728)年の創業以来、厳選した原料で炭火焼きの製法を貫き、食品産業センターから「本場の本物」と認定された。

◆あご野焼きの厚さを決める

 体験はすり身を伸ばすところからスタート!14代社長・青山昭さんからレクチャーを受け、包丁ですり身を四角形にしていく。あご野焼きの厚さは四角形の面積で決まり、面積が小さければ厚くなり、面積が大きければちくわのように薄くなる。

 すり身は簡単に延ばせるのかなと思っていたが、粘り気があるため意外に重く、しっかり力を入れないと整えるのが難しい。今回は厚めのあご野焼きを食べてみたいと思い、小さめの四角形にした。

 次に四角形にしたすり身をアルミ棒に巻いていく。へらで台からすり身をそぎ取りながら、少しずつ巻き付ける。手を濡らして形を整えていき、巻き付けたすり身の端をきゅっとくっつけたり、厚さに偏りがないように整えたりしていくと、あご野焼きらしくなってきた。

◆炭火でじっくり焼く

 いよいよ焼いていく。体験する前のイメージでは、手回しで焼いていくのかと思っていたが、専用の機械があり回転が始まった。厚めにしたのでちゃんと回るか心配だったが、ゆっくりと回り始めてくれた。炭火の熱で少しずつ表面がきつね色に変わっていく。

 中までしっかり火が通るようにときどき、くしのような形をした「突き立て棒」で、すり身を刺して穴を開けていく。これは熱で皮が破れなくなる効果もある。

 30分ほど焼き加減を見た後、突き立て棒を再度刺す。焼き始めと比べて身から抜けにくくなっており、焼き上がって、身が締まったことが分かった。

◆焼き立てを実食

 熱々のあご野焼きを受け取った。あごのいいにおいが漂い、一気にお腹がすいてくる。焼き立てを丸かじりすると、端の部分はカリッと香ばしく、中はほわほわ〜!あごの風味が口いっぱいに広がり、まさに格別の味だ。

 家に持ち帰り、おすすめのわさびじょうゆに付けていただいた。お酒とも相性抜群。山陰に住んでいる人も、新しく住み始めた人も、山陰名物をぜひ焼きたてでご賞味あれ♪

青山蒲鉾店

住所:松江市中原町88
電話:0852-21-2675
予約:必要
営業:8:00~19:00(※体験は9:30~11:00時)
人数:1人~(団体は30人まで、30人超える場合は要相談)
定休:元日のみ(※日曜・木曜日は体験なし。※GWは体験の対応可能。)
料金:1,512円(1本)
所要時間:30分

HP:こちらから
※新型コロナウイルス感染症の影響で、変更がある可能性があります。ご注意ください。

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