読みもの

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はちみつラボ(^^♪ 言葉代わりの8の字ダンス

今回はミツバチの「8の字ダンス」について、お話をしたいと思います。ミツバチといえば、有名な「8の字ダンス」。小学生の頃に学校で学んだ方も多いかと思いますが、ミツバチは花の蜜や花粉、新しい巣の予定地を見つけると、目的場所を記憶し、巣にいる仲間たちに方向と距離を伝達します。その伝達方法が、自分の体を使って8の字を描くもので、8の真ん中を通るときにお尻を振ることから、「8の字ダンス」といわれています。

お尻を速く振るほど目的場所が近く、ゆっくり振るほど距離が遠く、振る速さによって目的場所の距離を知らせます。そして、巣の真上を太陽の位置と仮定し、そのお尻を振るダンスの角度が、実際の太陽と目的場所の角度差となり、目的場所の方向を知らせます。

つまり、ミツバチは言葉に代わり、自分の体を使い、「8の字をこのくらい速く描くから花の蜜は近いからね。そして、蜜がある場所と太陽との角度はこれだから、この方向にあるからね」と、仲間と情報共有しているのです。

またミツバチは、このダンスを正確に伝えるために、紫外線をうまく利用しています。というのも人間とは色の識別が異なり、ミツバチが見る色の世界は黄色、青緑、青、紫、紫外線であり、その他の赤はグレーに見えるといわれています。ミツバチは紫外線を色として見ることができるため、正確な太陽の位置を認識しているといわれています。

動物の脳と比べて、はるかに小さく、昆虫でもあるミツバチにも、人間のように複雑な情報は記憶できなくとも、花の蜜の場所を記憶し、言葉に代わる「8の字ダンス」などのツールを使い、仲間とコミュニケーションを取り合っているのは驚きですよね。

◎講師

いち花(か)

(はちみつマイスター・山陰中央新報文化センター講師)

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