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WEBでも教えて!青山せんせい 受験は人生の通過点!~自己肯定感を考える~ 編

りびえ~る本紙で掲載するたびに大きな反響がある、子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!
受験は人生の通過点! ~自己肯定感を考える~ 編
中学・高校の3年生はいよいよ受験シーズンに突入。将来の進路を具体的に舵(かじ)取りしていく「大事なとき」です。
一生涯に影響する大事な選択を迫られている彼らを前に、見守る大人もドキドキハラハラ…え、ちょっと待って、そもそもそういう話じゃない?!
一体どういうことでしょう?!
それでは今回も…教えて!青山せんせい!
「あの頃の未来」には立っていないから伝えられること
「高校・大学受験は、生まれて初めて自分の人生に影響する選択=将来の進路を具体的に舵取りするための大事な岐路」
…って、よく言われるじゃないですか??
でも本当にそうなんでしょうか??
私は親子向けのワークショップを開催するときに、よく質問することがあります。
オトナには「子どものころの夢はかないましたか??」
コドモには「夢はありますか?」
という質問です。一見残酷な質問ですが、わたしはこれにこだわっています。
世の中のほとんどの人の夢はかなってないんです。
ましてや、選択した大学や進路の通りにオトナになって、子どもを育てる年齢になったときに“あのころ描いていた自分”でいる人も少ないんです。
でもそれは悪くないんですよ。
何が言いたいかというと、
受験で人生は変わらない
ということです。
でも、「人生が変わる」こともあるんです。
どういうことかというと、
「これを失敗したらだめだ! おしまいだ!!」
という発想に、習慣的に取りつかれる人生になるかも…ということです。
そういう思考になると、不安でしかないし、失敗は許されないと思い込んでしまうんですよね。
もちろん受験にそういう側面は必要かもしれませんが、大きく人生を揺るがせることではないのです。
「失敗したくない」症候群に見える、いやいや期=やるやる期の重要性
漠然と不安や恐怖を抱えていたり、思うように進まなくなったときに崩れやすく、
まだなんとでもなりそうな状況なのに「もうダメ」とあきらめてしまう…
これらの原因は、自尊心の低下だと思います。
自尊心の低下は今の日本人の、いわば「病気」。
失敗の経験がないから、失敗を極度に恐れる。
「失敗なんてやり直せばいい」ってみんなで言いながら、
失敗したら怒られるし、自由にしていいと言われて自由にすると怒られる。
これを繰り返すうちに、できなくなるし、できるようになると想像がつかなくなります。
いつも誰かにお膳立てしてもらったことをして、「やった」ことにされる。
どれだけ頑張っても達成感を味わえないと、人は「どうあがいてもどうにもならない」と学習して、無気力になるんです。
これを学習性無力感と言います。
幼いころからの過指示・過干渉・過保護は、この学習性無力感を育てていると気づいてほしい。
今からでも遅くない! 自己肯定感をはぐくむには…
そうさせないためには、どんな些細なことでも「自分でやる」ことを経験させること。
その経験がたとえゲームであってもです。
本当なら2歳のいやいや期=やるやる期の時にこれを体験するはずなんです。
そして、このかかわり方は家族だけでなく、上司と部下、先輩と後輩、友人同士…お互いに“育つ”ためにとても有効です。
「できない」という子には「少しずつやってみようか」。
「失敗したくない」と言う子には「やり直せばいいのよ」。
そして「自分はダメだ」と言う子には「わたしはけっこういいと思うよ」とか「わたしは好きだけどな」と言う言葉を。
もしあなたが“お母さん”なのであれば、
お母さんはいいと思うけどな、 お母さんはできると思うけどな、
お母さんはそれでいいと思うけどな、 お母さんは好きだけどな、
お母さんはかわいいと思うよ… ですね。
これしかないんですよ。
そして、お母さんが子どものことで不幸そうにしていないことが子どもの心を育てますよ。
受験なんて「通過点」…親ができることは?
先日ある中山間地域の中学校で、講演会に呼ばれてお話をしてきました。
その地域は、まあ“受験”といってもだいたいの子どもが落ちることもないし、どこかに進学できるような地域なんです。
そうすると何が起こるかというと、勉強をしないんです。
受験のために勉強しなさいというスタンスの風潮があると、子どもは勉強しなくても受験で困らないから勉強しない。
だから、こんな話をしました。
「高校に入学することが人生の目標なら、それでいいけれど、
あなたたちは、高校を卒業してからの人生のほうが長いのにそれでいいの??」
君たちは、それでいいの??
お父さん・お母さん・先生、それでいいの??
そういうスタンスでいいの??
子どもたちが学ぶことは 高校受験や大学受験のためだけなの??
それがすべてのゴールなんですか?
少し話がそれましたが、何が言いたかったかというと、繰り返しになりますが「受験で人生は決まらない」。
そして、口うるさく何か言いたいのは分かるけれど、できることは「応援」しかないということ。
わが子が自分で自己選択するのを応援するしかない。
成績や親の都合で進学させても、16歳17歳の子どもはね、はっと気が付くのよ。
自分の選択ではなかった
ってね。
そうした時に友達ややりがい(部活・趣味)、信頼できる斜めの関係を持っていない子は迷います。
学校に行かなくなったり、やめたり、心を病んだりして迷います。
自分の自己選択の重大さに迷います。
親ができることはただ一つ。
子どもが自分でした選択を応援すること。
あとは、「お金」を用意することです…なぁんてね!!
受験は親のものではなく子どものものだし、そもそも受験なんて「通過点」にすぎないんですよ!
「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)
親学ファシリテーターとして4000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。
登録者数2.11万人(11月末現在)を数えるYouTubeチャンネル「未来へつながるしあわせな子育て塾」でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。
