読みもの
コラム◆◇◆神の住む島・屋久島に暮らして VOL.1
神の住む島・屋久島に暮らして
三島佳奈
松江市浜乃木のライフスタイルショッブ「志庵」オーナー。「心と体に佳いものを」をコンセプトに、2年間暮らした屋久島の食品や工芸品などのほか、日々の暮らしに寄り添う洋服と雑貨を扱う。
今年で世界自然遺産登録から30年を迎える屋久島。一度は訪れてみたいと思う方も多い場所ではないでしょうか。まさしく私もその一人でした。
申し遅れましたが、三島佳奈と申します。現在は松江市で、屋久島をはじめ全国から選りすぐりのものを取りそろえた、『志庵』というライフスタイルショップを営んでおります。皆さまによりよい暮らしをご提案できるよう、日々励んでおります。
私が初めて屋久島を訪れたのは2017年のひとり旅で、バス、新幹線、高速船を乗り継ぎはるばる訪れた念願の場所。船を降りて真っ先に目に飛び込んできた山々の威風堂々とした佇まい、山に覆いかぶさる雲はまるで龍のようで、それは神秘的な光景でした。「神の住む島」と呼ばれる屋久島に一瞬にして心をわしづかみにされたのです。
それまでもさまざまな場所を旅してきましたが、そこに降り立った瞬間に「ここに住みたい!!」などと思ったのは初めてでした。こういうのをきっと運命の出逢いと言うのですね。 ご縁はどこにつながっているかわからないものです。初めての屋久島2泊3日の旅。帰路に向かう時には移住を決意していました。
それからは仕事の引き継ぎをしながら、住む場所と働き先を探すため屋久島へ通い、ついに2年後に移住をかなえたのですが、実は退職したのはいいものの、住む場所も働き先も移住2カ月前まで決まっていませんでした…これもご縁に助けられました。頭で考えこんで動けなくなるより、とにかく決めて動く。時には大切なことなのかもしれません。さて、いよいよ移住に向けて島根を出発。軽自動車に荷物を積み込み、下道を経由しながらゆっくり屋久島へ向かいます。途中でいろんな場所へ寄れるのも車旅の醍醐味ですね。 およそ2日間かけて鹿児島まで移動し、夕方に出発する「フェリーはいびすかす」に車と自分も乗り込みます。この船は種子島で夜の間停泊するので、ここから夜通し13時間の船旅です。通常は「フェリー屋久島2」という4時間程で着く船がありますのでご安心を。ちょうどこの時点検のため、ドック入りで運休だったのです。
翌朝、無事に屋久島へたどり着き、綺麗な平屋のアパートで荷解きをし、買い出しへ。コンビニはないですが、大きなドラッグストアやホームセンター、スーパーもあるので必要なものは大体手に入りますよ。
いよいよ屋久島での移住生活が始まります。これが2019年4月のお話。それから1カ月余りで早速、屋久島の大自然の凄さを目の当たりにすることになります。次回はその屋久島の自然や気候についてお話ししたいと思います。
これから何回かにわたって、大好きな屋久島のお話をさせいただきます。自然、気候、そして暮らしやおいしいもの、ものづくりなど、移住して体感した私なりの屋久島をご紹介していきます。