読みもの

読みもの

コラム◆◇◆Antiqueに心ときめいて VOL.3

VIVIENNE

松江市比津町「Avignon」、同市横浜町「GALERIE VIVIENNE」経営。好きなものはパリ、読書、犬猫、バイク、インテリアコーディネート、服、庭、料理etc。ホームページ「ギャルリヴィヴィエンヌ 松江」で検索。

アンティークとブロカント

今回はアンティークとブロカントのお話をさせていただきます。 

Antiqueとはラテン語で「古いもの」「骨董品」を意味するAntiquusが語源で、製造から100年以上たった美術品や骨董品のこと。1934年にアメリカで制定された通商関税法での定義が由来とされています。通商関税法では「100年以上を経た美術品、工芸品、手工芸品には関税を課さない」と決められました。

しかし、これはあくまでもアメリカの定めに過ぎません。アンティークが広く親しまれるヨーロッパでは明確な定義はありませんし、現代ではもう少し広い意味で使われることもあります。結構曖昧なのかもしれません。

家具などにおいては、1920年ごろの大量生産されていないもの、また様式にのっとりデザインの歴史を継承して作られたものもアンティークと呼ぶようです(約20年以上経た優良なものをヴィンテージ と呼びます)

 

そして、好みも千差万別。家具などは分かりやすくて、イギリスの質実剛健なもの、フランスの花や貝をモチーフにしたエレガントなもの。自分好みのものを集めていくと、まとまりができてくるから不思議です。

私が主にフランスで買い付けるBrocanteは「美しいガラクタ」。簡単に言うと生活の中にあった古道具です。

例えば、写真のグローブドマリエ。1918年以前に作られたもので、花嫁に親族から送られたお祝いの品です。幸福のモチーフが散りばめられた幸せな贈り物。年代だけみればアンティークですが、ブロカントと呼びたいものです。残念ながらグローブ(ガラスケース)はなくなってしまっているのですが、そのスタイルや背景、ここまで捨てられずに残っていることに心ひかれます。

 

蚤(のみ)の市で探すブロカントは、テーブルやショーケースの中よりも、目指すは段ボールの中!ここに宝物が眠っています。時々アンティークと呼べるようなものが段ボール箱から出てくることもあり、ドキドキしながら値引き交渉をしていくと驚くほど安価で買える時があります。そんな時は満面の笑みでmerci!

自分の足で歩いて目と心で探す。名のあるものから名のないものまで。それだけで、さらに想い出は積み重ねられます。

 

新しく作られたものでは得られない背景や想いがブロカントにはみえるような気がします。もしかすると物にも想いがあるのかもしれません。一つ一つに物語があって、長い年月を経て次の誰かに引き継ぐ。出逢えたことに小さな感動も覚えますし、古いものを大切にするヨーロッパの人々の心にも敬意を表します。

もし、機会がありましたら家具や小物を手に取ってその物語を感じていただけるとうれしいです。まだまだ話は尽きませんがこのへんで。

日々のお話はホームページblogにて。

一覧へ戻る