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コラム◇◆◇アンニョンハセヨ‼ 韓国 vol.3
実はあったか三昧!冬の韓国 あれやこれや
みなさん、 안녕하세요(アンニョンハセヨ) ‼
本格的に冬のシーズンを迎えましたね。日本と同じく四季がある韓国ですが、冬場の寒さは日本の比ではありません。特に1月ごろは朝晩の気温がマイナス15度前後にまで下がり、最高気温が氷点下にとどまることも。それはもう、外に出ると「肌を刺す」っていう表現がぴったりの寒さなのですよ!
今回はそんな冬の時期を温かく楽しく過ごすための風習や工夫などをお話しさせていただきますね。
■体の芯までポッカポカ!韓国の床暖房「オンドル」とは?
「オンドル」とは韓国ならではの床暖房のこと。冬の厳しい寒さを乗り越えるため、韓国では独特の建築構造を発展させてきました。
古代、三国時代から始まったと伝わる「オンドル」は、外や台所にあるかまどを焚(た)いた時に出る煙を、床下に通して暖をとる仕組みです。現代式の『オンドル』は、家全体の床下にプラスチックや銅製のパイプを張り巡らせ、ボイラーで沸かした熱湯をパイプに循環させる温水循環式に変化しています。お部屋を温めたお湯をお風呂や台所でも使うことができる、とても効率の良い仕組みなので、暖房代は思ったほど高くありません。
その温かさはどれほどか?というと、真冬でも半袖で過ごせるくらいなのです。寝転がると体の芯までポカポカになり、温かさが体の中で持続するので、病気の治療などにも使われるくらいだとか。韓国のお布団は日本に比べて薄めですが、これもオンドル効果で温かくなった床からの熱を感じやすくするためです。
さ!そんなオンドルのお部屋で体の芯まで温まるお鍋を食べながら汗をかきましょうか。韓国の「オンドル」を楽しむなら「今でしょう!!」。
■家族総出の伝統行事 おいしくなーれ! 「キムジャン」
韓国で一年中食べられている代表的な食べ物は、なんといっても「キムチ」‼ あんなにたくさん食べるのだから、家庭で年中作っているのでは?と思うでしょうが、実は寒くなる前の11月末ごろに越冬用の大量のキムチを漬ける「キムジャン」という季節ならではのお楽しみ行事があるのです。
私の後輩の家を例えてみますね。
実家に行って2日間くらいかけて、2家族分のキムチを作ります。両親と後輩の家族4人の、合わせて6人分の越冬用のキムチ作りの材料は、白菜40玉、大根10本、小さい大根10束、水キムチ、ねぎキムチ等々・・・いやはや、すごい量ですよね!
この大量のキムチを格納するために、だいたいどの家庭にもあるのが「キムチ冷蔵庫」です。後輩の家には2台あり、1台は室内に置いて日頃食べるキムチ用、もう1台はベランダに置いて春になるまでほとんど開けないで置かれています。このような状態で保存されたキムチは秋まで食べることもできるので、キムチチゲや豚キムチ、キムチチャーハンなど、さまざまな料理にもアレンジして味わえます。
昔は町の人々が一箇所に集まり、助け合いながら行われていた「キムジャン」の行事。私の子どもの時に比べると食べる量は少なくなったとは思いますが、やはりキムチは韓国人になくてはならない食べ物。まさに国民が愛する「ソウルフード」なのです。
■冬の醍醐味 アッツアツ!屋台グルメ
さて、寒いからといって春まで家に閉じこもっているのかといえば、そんなことはありません。
韓国では屋台がとても多く、街を歩くとあちらこちらで目にします。近くの市場などに出かけては、屋台のあつあつグルメを楽しむのも冬の醍醐味です。庶民の食文化として、おやつやお酒、食事類など多彩な屋台グルメをリーズナブル&気軽にいただくことができます。凍えるような気温のなかでも、屋台で温かい「おでん」を食べて少しの間寒さをしのいだり、口の中をやけどしないようにホーホー冷ましながら食べる「ホットク(黒糖入りのおやき」は、格別ですよ。
■故郷が恋しくなるとき
そんなふうに、寒いからこそ楽しめる冬の魅力が韓国にはいっぱいあります。ぜひ一度体感してみてくださいね!
ちなみに、私ごとで恐縮ですが、日本に来てからもう25年たちます。ありがたいことにホームシックにかかったことはありませんが、冬になると、オンドルとキムジャンキムチだけはどうしても恋しくなります。あぁ、日本のおうちにもオンドルがあれば最高なんですが。
以上、韓国の冬のお話でした。それでは皆様また次回、アンニョン!