読みもの
コラム◆◇◆Antiqueに心ときめいて VOL.4
VIVIENNE
松江市比津町「Avignon」、同市横浜町「GALERIE VIVIENNE」経営。
好きなものはパリ、読書、犬猫、バイク、インテリアコーディネート、服、庭、料理etc。
ホームページ「ギャルリヴィヴィエンヌ 松江」で検索。
美しいガラクタを探してパリを歩く
こんにちは。コラム連載も4回目となります。みなさんに興味を持って読んでいただけていたなら幸せです。
以前、書かせていただきましたが、蚤(のみ)の市やマルシェ巡り、食材探し、一日を生活しているかのように過ごすことがパリでの仕事と楽しみ。そして、好きが高じてカフェと共にアンティーク販売が仕事になりました。アンティークももちろん好きですが、ブロカント(美しいガラクタ)の自由がいい。名があってもなくても、わたしの好みや価値観で物を選ぶことがとても幸せ。
歩いて歩いて歩き回るパリの街、街全てがアンティーク、芸術そのものです。そして、蚤の市で思いがけず段ボールの中から名のあるプレートを見つけたり、アンティークショップのガラスケースの中に大切に置いてあるような1800年代のポルト・モネ(小銭入れ)を見つけたりした時はドキドキでした。
また、まさか!もたくさんあります。印象に残っているのは、1時間だけと決めて訪れたヴェルサイユ宮殿。その日案内してくださった30年パリに住んでいる方が「こんなヴェルサイユは初めて!と言われるほど人がほとんどいない宮殿の中を見ることができたこと、帰りの列車がヴェルサイユ仕様だったこと。
また、ある時の帰国前日に予約していた教会のコンサート中、たまたま近くにいらした日本人の方を救急車で病院まで、なんてハプニングもありました。夜は出歩かないと決めていますが、保険会社への連絡や通訳の手配、付き添いを終えたのは夜10時ごろ、帰りのタクシーから見える白熱灯の灯る夜のパリ、公園の観覧車はとても美しく幻想的でした。
なにもかもがブロカントと一緒に思い出の中。物はいつか消えてなくなる日もきますが、思い出さえあれば目を閉じてまた旅ができるような気がします。次はどんな経験ができるのか、どんな発見があるのか、パリへの想いは募ります。
話は尽きません。わたしのお店への思いは、クリームティーももちろんですが、店内にある古い家具や絵画、ランプや小物、流れる音楽などを通して、いつもの日常の深いところ、情緒やノスタルジーを感じて楽しく心地よく過ごしていただけたならこれ以上の喜びはありません。