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「元気」のための基礎知識《吸う人も吸わない人も 知っておきたい!加熱式たばこのリスク?編》<PR>

30代に突入した「大」の今年の目標は心身ともに健康第一!将来の自分や家族のために、病気と健康の基礎知識を学びます。

《企画/島根県・島根大学医学部》

【今回の先生】

鳥取大学医学部

社会医学講座 環境予防医学分野 教授

尾﨑 米厚 先生

紙巻きたばこと加熱式たばこの違い

煙の出る従来の紙巻きたばこに代わり、加熱式たばこや電子たばこを含む「新型たばこ」を使う人が近年急速に増えています。

新型たばこの中でも流行が顕著なのが加熱式たばこです。

紙巻きたばこのようにたばこの葉に直接火をつけず、専用機器で熱を加えてニコチンを含むエアロゾルなどを発生させます。

日本では米国社の製品が本格発売された2016年以降、加熱式たばこが急速に普及し同年には世界シェア96%を日本が占めました。

ここで知っておきたいのは、当時米国では「紙巻きたばこと比べて健康影響が少ないとは言えない」と、リスクを低減する製品としての販売が認められなかったことです。

取材班・大「米国で販売を認められなかった製品がなぜ日本では販売できたのでしょうか」

先生「日本では『たばこ製品』として販売ができました。健康リスクの科学的根拠は今、集められている段階で『日本は実験場』と指摘する専門家もいます」

「人体への影響は未知」

加熱式たばこが「紙巻きたばこに比べて有害物質が少ない」「煙が出ないから受動喫煙の害がない」「禁煙に役立つ」といった認識を持つ人は少なくありません。加熱式たばこを使用することによる健康被害は、十分な研究がなされておらず、長期的な影響が予測しづらいのが現状です。

つまり、人体への影響は未知なのです。

加熱式たばこから発生するエアロゾルには、依存性が非常に強いニコチンをはじめ、ホルムアルデヒドなどさまざまな有害物質が含まれています。

紙巻きたばこと比べ、減った物質もあれば、増えた物質もあります。有害性が未知であったり、継続して取り込む場合のリスクが分からなかったりする物質もあります。

加熱式たばこは紙巻きのように目に見えて煙は出ませんが、蒸気のような喫煙者が吐く息には有害な化学物質が含まれ周囲に放出されています。

特に怖いのは、家の中など禁煙だった場所で加熱式たばこを使用するようになると、それまでなかった受動喫煙の危険にさらされる人が出てきてしまうことです。

加熱式たばこ「これってホント?」

先生「加熱式たばこへの誤解から「自分で禁煙できる」「禁煙しなくても大丈夫」と治療に向かう人が少なくなっている傾向があります。リスクを正しく知り、改めて健康を考える機会にしてほしいです」

取材班・大「今回の話は知らないことばかりでした。宣伝文句に流されず「知ろう」とする気持ちが大切ですね」

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