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ばんだい先生家計アドバイス case.72<20代のマイホーム>
☆ばんだい先生 家計アドバイス☆
あなたのお宅の家計はいかがですか?
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。
Q :20代共働き夫婦です。子どももできて早く家を建てたいと思っています。気をつける点は?
Aさんの家族構成
Aさん(出雲市在住、27歳)会社員、妻(25歳)会社員、子ども(1歳)。将来もう一人希望。
A :
20代の家づくりには他の世代にはない難しさがあります。それは、家族構成がまだ固まっていないことと、今後10年間で価値観や体調面が大きく変わる可能性があるからです。弊社では、年間30棟前後、年代は主に30代半ばから70代までの方の家づくりをサポートしています。一方、20代が少ないのは、先ほどの難しさが大きな壁になるからです。その上で家づくりを進める必要があります。
ポイント1. 資産形成のスタート段階
Aさんは共働きで家計は赤字ではないのですが、今後10年間は余裕がない状態が続きます。家計に余裕がないのは、そもそも最初の貯蓄が少ないのが原因で、それを引き継いでいるだけ。今の家計に問題がある訳ではありません。
人生には3大貯蓄チャンス(これは私が名付けました)があって、長い人生で貯蓄できるチャンスは3回のみ。最初は20代前半で結婚後の夫婦二人だけの期間です。意外にも生涯を通して生活費が最も多いのもこの時代で、貯(た)めるチャンスという認識がないので使ってしまう方がほとんど。身に覚えがあるのでは?
改善するには、お子さまが誕生するまでの間にできるだけ家計を元に戻して貯金するか、贈与などがあった場合の2つ。ちなみに2番目のチャンスは、お子さまが大学に入るまでの期間、最後の3番目はお子さまが大学を卒業してから本人の定年退職まで。この2つにも注意点がありますが、それは別の機会に。
ポイント2. 問題点がつかみにくい
20代の方は、余裕がないのは住宅予算が高額だからと思い、予算を減らし小さな家にする傾向があります。前述したように、そもそも家計が原因ではないので、住宅予算を減額しても状況は大きく改善しません。逆に予算を増やしても悪化することもありません。
ポイント3. 今に重点を置くと失敗
10年後、30代になりお子さまが成長すると同時に家が手狭に感じるようになります。そして同時に体調面や価値観も変わり、20代に好んでいたはずのデザイン・間取りに違和感と後悔の念が生じるようになります。つまり家族の成長と同時に本人の嗜好自体が変わります。この結果、20代と30代ではそもそも志向する家が違うという結果になります。
以上の事情から20代では注意深く家づくりを進める必要があります。10年後の家族の姿や価値観の変化を想定し、将来、違和感を持たないようにデザインすることが大事になります。Aさんも将来も見据えた間取りとそれに応じた予算で進めてください。
家計の改善点としては、食費・車購入費・交際費の3つは節約できます。将来家計簿で試算をしてみると、共働きを続けることで老後には余裕が生じます。個人年金保険や確定拠出年金など老後資金対策のみであれば今の家計状況を一層苦しくしまたその必要性もありません。最後に20代の方は人生の限られた貯蓄チャンスを生かしてください。
【アドバイス】
(1). 20代の方は、10年後をイメージすること。
(2). 予算面は、今の収支ではなく老後までの試算で判断すること。
(3). 設計面は、まず多くのプランと情報を集めること。
ばんだいこうじ
年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。
松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計300棟以上の家づくりを実際にサポート。
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