読みもの

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創る〈フラワーアレンジアーティスト・山関 博美さん〉

心癒やす優しい色合い

ドライフラワーやプリザーブドフラワーなどの素材や作品たちに囲まれ、隅で猫がすやすや眠るナチュラルテイストのアトリエを訪ねると、フラワーアレンジアーティストの山関博美さんが穏やかな笑顔で迎えてくれた。

大阪で暮らしているころ、趣味で花を育てたところ楽しくなり園芸店に就職。グリーンアドバイザーやプリザーブドフラワーのインストラクター資格を取得するなど、本格的に「花」に関わる。もともとものづくりも好きで、花の雑貨を作って販売すると評判になり、レッスンを頼まれた。レッスンするのは不安もあったが、依頼者に「あなたが一番得意なことじゃないの。世界が広がるからやってみたら」と背中を押され、トライしたところ喜ばれ、自信になり、今につながって「本当に世界が広がったと感謝する。

その後、南部町に引っ越し、Piro’s Gardenをオープン。花材や花雑貨の販売、オーダー品を制作したり、教室でレッスンしたり、さらにファームで花の栽培も始め、花の成長過程を見ながら管理、世話をする。「わが子を育てるような気持ち」といとおしむ。育てた花はドライフラワーにして作品に生かしている。

ファームでの自然な花の姿を部屋でも感じてもらえるように表現し、飽きのこない優しく、癒やされるような色合いを心がける。「日々の暮らしの中で、皆さんの癒やしになれば一番の喜びと話す。

以前、指導を受けた先生が「たくさんの作品の中から選ばれるのは、あなたが一生懸命作っているから。気持ちを込めて作らないといけませんよと話され、今も心に留めている。心を尽くして作るオーダー作品を受け取った人からは「想像以上です」との感動の声が聞かれる。

納得いく作品が思い浮かばないと、いったん離れ、映画を見たり、ファームへ出かけたりしてリフレッシュ。すると、色のアイデアなどが明確になるという。ファームへ行けばあれこれ気になることも多いが無理はしない。「好き」がいい作品作りの原動力で、無理をして楽しむ心をなくしてはいけない。長く続けるためにできる範囲でと自分に言い聞かせている。

「手が動く限りは続けたい」と話す山関さんの、花への愛情あふれる作品に癒やされる人の輪が広がっていく。

プロフィール

やませき・ひろみ 1966年生まれ。

島根県の高校を卒業後、大阪の園芸店で就職し、「グリーンアドバイザー」や「プリザーブドフラワー」の資格を取得。2010年に南部町に花雑貨店と教室「Piro’sGarden(ピロズガーデン)」をオープンする。ギフトオーダー、レッスンに対応。問い合わせは、電話(0859-57-3495、日・祝・月・木を除く)、メール(info@pirosgarden.com)またはインスタグラム(@pirosgarden)のDMで。

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