読みもの
WEBでも教えて! 青山せんせい 受験期の子を伸ばす適切な励ましとは? 編
りびえーる本紙でも大きな反響をいただいている子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!
受験期の子を伸ばす適切な励ましとは? 編
二学期に入り、進学を目指す受験生たちはそろそろ志望校を具体的に考え始める時期ですね。
現時点で手が届かなくても、もうひとがんばりで十分伸びられる秋。
今回は、焦らず自分の可能性を信じられるように、親にできることをお話しいただきました。
それでは今回も…教えて!青山せんせい!
「努力する姿」は誰のため?
正直…受験前になった今、 焦って子どもに対してどうにかしようと思っても今さら遅い という感じです。
が、親としてそう思うのは仕方がないことかなと思います(世の親たちへ愛をこめて)。
思春期といえば、肯定感も低くなり、自信が人一倍低くなる時期。
誰もが自己肯定感の低い、自分探しの時期になります。
これまで、認めてもらった実感がなく、尊重されながら育っていない子にとっては試練の時期だと、多くの子どもを見ていて思います。
親としては努力してほしいところですよね。
一生懸命にやっている姿を見ると、人は感動するものです。
だから、高校野球を見ると人は熱くなるのでしょう。
自分の子どもに、一生懸命にやってほしい・努力してほしい。
そういう姿を見て、「うちの子頑張っている(涙)」「見守っている私、受験生の親してる」と安心したいのだと思います。
なので、私はよく塾に来る子どもたちに
「くつろぎたい時は勉強机について、漫画でも見てたらいいよ。机に向かっていると親は安心するからね」
と冗談で言っていたものです。
子どもたちは笑っていましたが、その表情を見ると「確かに!」と思ってたと思いますよ。
これ、私なりのイヤミな指摘なんです。
親は、塾に行かせる。
結果が出ないので、コマを増やす。動画の講義を増やす。
それをやらせることで、勉強をさせている・努力させている、すなわち努力していると安心しているだけなんですよ。
「努力する姿」を見て安心したい
のかもしれないですね。
でも「努力した “ふう” の姿を見て安心」するのでは意味がないんです。
適切な「励まし」…未来を見せるという考え方
そしてまた、安易な「やればできる!」だけでは“でき”ません。
「やればできる」という言葉は やった本人が「やった!」「できた!」と思わなければ、あまり効果がないかなって思いますね。
励ましで言う場合は気を付けたほうがいいです。
だって「やればできる」の裏側には、「今のあなたはできてない」というメッセージがある可能性があるからです。
とはいっても、今の子どもたちは何のために勉強するのか…
勉強する意味が分からないのかもしれません。
いいえ、私たちもそうだったかもしれません。
あなた(自分)のために勉強するのは確かなことなんですが、それを言われてもわからないのがこの時期の子ども。
このままではダメだと教えるよりも、未来を見せるといいますか…
「勉強すると可能性が広がる」
こっちの方で伝えていくことがいいかな、とつくづく思います。
ただ!!!!
親子関係がよくなければ、なかなか難しいかな。
受験前のこの時期、どうしたらいいのかと不安でいっぱいな子どもの気持ちを、否定せずに聞いてあげ、励ますことが最も必要なことかも知れません。
とはいっても、受験までにはまだまだ時間はあります!!
“今のままでは無理”と言われる子どもが多くいると思いますし、その言葉をうのみにしてあきらめていく子どももいるのも現実です。
でも、この時期にあきらめずに、コツコツやる必要もあるんです。
そう考えたら「このままでは無理」と言って子どものやる気をそぐよりも、適切に励ました方がいいと思いませんか?
諦めていく子も多いのでね。
「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)
親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。
登録者数3.89万人(2024年9月末現在)を数えるYouTubeチャンネル「未来へつながるしあわせな子育て塾」でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。