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ばんだい先生家計アドバイス case.77<家計が火の車! 原因は?>

 ☆ばんだい先生 家計アドバイス☆ 

あなたのお宅の家計はいかがですか? 
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。

 

  Q  :3歳・0歳の子がいる4人家族です。夫の年収は500万円、私は退職し育児に専念しています。昨年、郊外に土地付き注文住宅を総額3,500万円で建てました。頭金は200万円、残りは住宅ローンです。延べ床30坪弱で子どもが小さい今は良いのですが、大きくなったら手狭かなと思っています。一方、予算を抑えたつもりでしたが家計は火の車です。子どもが小学校に上がるころにはパートに出る予定です。

Aさんの家族構成

Aさん(30歳・専業主婦)、夫(35歳・会社員)、子ども男子2人( 3歳・0歳 )

  A  

現状の把握

夫の年収500万円と児童手当30万円に対し、税金と社会保険料の合計は88万円ですので手取りは442万円です。これは住宅ローン控除後の金額です。ここからさらに固定資産税24万円と住宅ローン返済額116万円が引かれ、自由に使えるお金は302万円(月々25万円)になります。これで全ての支出を賄うことになります

この25万円に対して、比較として家計調査の島根県2人以上世帯の月々の支出総額は34万円、全国世帯年収500万~550万円2人以上世帯でも同じく34万円ですから、Aさんは平均の約7割で今後30年やり繰りしていく必要があります。

一方Aさんの今の実態は前出の平均34万円に対し40万円、家賃や保険料を除いた基本生活費では平均20万円に対しAさんは25万円という状態ですので当然、単年度では赤字です。

本人の相談通り相当苦しいことは容易に分かりますので、Aさんの将来のパート収入は必須です。これからお子さまが成長し教育資金も本格的に発生します。将来家計簿で試算すると4年後には預金が底を突き、以降は資産残高が赤字に転落することが分かります。

改善のポイント

家計の改善には決まった手順があります。

まず家族の賛同が得やすい今の生活が変わらない見直しから行います。具体的には①使徒不明金の把握と定額化、②生命保険の見直し削減、③住宅ローンの見直し。③については、今はできませんので①と②を行います。

次は運用ですが、Aさんにはその資金がありませんので省略します。最後は、今の生活が変わる見直しを行います。具体的には、①就労期間延長と配偶者収入増、②基本生活費と車費用の減額、③趣味旅行費用の減額です。これらを見直すと生活が変わりますので家族の協力は必須です。

Aさんについては、右記の順番通り全ての見直しを行います。資産残高の赤字を避けるためには、Aさんのパート収入の目標年収として将来家計簿から180万円という答えが出ますので、今後の就労形態や働き方を考えるベースになります。ちなみにこの際の基本生活費のめどは20万円ですので全国平均と同額を目標としています。

本来であれば

ポイントは、以上は全て自分自身で事前に数字で把握できるという点です。つまり家をつくる前に予測できたはずです。

将来家計簿は、人生において一度は作ることをお勧めしますが、家づくりの前が理想的です。そのタイミングなら最も重要な建築資金も検討し比較することができるからです。Aさんのように家をつくってしまった後では、対策にも限界があります。

【アドバイス】

(1). 事前に数字で把握するのは自己責任。

(2). 将来家計簿は、家づくりの前に作成します。

(3). 家計改善には一定の手順があります。TV番組とは違うかもしれません。

 

ばんだいこうじ

年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。

松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計300棟以上の家づくりを実際にサポート。

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