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「ハンガリー料理を楽しんでほしい!」米子市・オットーさんの挑戦☆☆☆タウントピックス

 キッチントレーラーで「ハンガリー料理&スイーツ ハンガリー屋OTTO」を営むハンガリー出身のツァイドラー・オットー(Zeidler Otto)さん(25)。

 最近中海圏のショッピングセンターの駐車場やイベントで赤を基調にした屋台が目を引く。

 現在米子市に住み、食を通じて山陰に溶け込もうとしているオットーさんに、来日のきっかけや意気込みを聞いた。

 オットーさんが日本語を独学で学び始めたきっかけは寿司が好きだったからだと言う。日本語の教科書や、ハンガリーの古本屋で、東野圭吾や西村京太郎などの小説を買いあさって読んだ。

 大学進学の際に日本への留学を決意し、「田舎へ行きたい」と全国各地の学校を探す中、倉吉市にある鳥取短期大学に出合う。見学のため来日した際、倉吉という地域がアットホームで温かなコミュニティーがあることが気に入って、2016年に国際文化交流学科へ進学した。

 ハンガリー料理の屋台をやろうと思ったのは、留学後2週間足らずで鳥取県中部地震に遭ったことがきっかけだった。地域に大きな被害をもたらし、復興のためのさまざまなイベントが開催された。オットーさんは他のイベントでハンガリーの料理を振舞っていた経験を生かして、被災者の方々に元気をつけてほしいとイベントへ出店。その体験の中で、対面販売でハンガリーの味を発信していくことが国際交流につながる、と気づき、卒業してからも仕事としてやっていきたいと思うようになった。

 卒業後は中海テレビ放送(本社・米子市)に就職し、1年間レポーターなどを務めた。その後、2020年にハンガリー料理の屋台を実現するために在留資格を取得し、満を持して「Deli-Art(デリー・アート)合同会社」を設立。テント形式でイベントに出店する計画で準備を進めていた。その矢先、新型コロナウイルスに見舞われ、数ヶ月営業ができない事態に陥ってしまう。

 そこで、ソーシャルディスタンスを考慮してキッチントレーラー(移動販売車)での販売に方向転換、クラウドファンディングで資金を募った。山陰の人を中心に資金が集まり、赤がトレードマークのキッチントレーラー「ハンガリー料理&スイーツ ハンガリー屋OTTO」が完成した。

 取材日は松江市朝酌町で開催した「AOMM」というモーニングマーケットで、ポンポシュ(ハンガリー語でピザのこと)とキャロットケーキ、ハンガリーのドリンクを販売。屋台は鳥取弁を使いこなすオットーさんと、初めて見る食べ物について質問をするお客さんのコミュニケーションの場が生まれ、ひっきりなしに訪れるお客さんで大盛況だった。

 ポンポシュは生地がフワフワで老若男女食べやすく、チーズもコクがあり美味。種類は2つあり、「ウンガレーゼ」はハンガリーの手作りピリ辛サラミが自慢。「シュペノー」は、ホウレンソウとスパイス、チーズを合わせたハンガリーの田舎で食べる素朴なおいしさが楽しめる。

 キャロットケーキはレモンピールやシナモン、レーズンをたっぷり使いスパイシーな優しい甘みが広がる。日本では珍しい味だがどこか懐かしさを感じるのが不思議だ。

 ほかにも、ハンガリーの薬草の花「エルダーフラワー」やラズベリーなどの甘いソーダ類も販売する。

 

 今後は、ハンガリー風バームクーヘンの「クルトシュ」という手の込んだスイーツも提供する予定。

 イベント時に何が売っているかは行ってみてからのお楽しみ! 「お客さんのハンガリーの料理を面白がるリアクションを見るのが楽しい」とやりがいを口にするオットーさんの熱意と楽しい料理が、次々に出会いの場をつくり出す。

 

 「今後コロナが落ち着いたら、街づくりにもっと関わっていき山陰を盛り上げて行きたい」と意気込みも。

 

 海外旅行になかなか行けないご時世、皆さんもぜひハンガリーの料理を味わい、ハンガリーの文化に触れてみて。

今後のスケジュール

5月15日…PLANT–5境港店駐車場「よげなまつり」

     松江市八束町波入「大根島ワンONE祭り」

5月21日…矢田渡船乗り場・モーニングマーケット「AOMM」

     米子・弓ヶ浜公園「弓ヶ浜いぬねこプロジェクト」

5月22日…境港夢みなと緑地公園「学宴祭2022」

 

詳細や他の日程はInstagram(こちらから)やFacebook「ヨーロッパ屋台OTTO」で(こちらから)。

 

(記事は2022年5月8日現在)

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