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守りつつ、変えていく…愛される“イタスパ”<軽食喫茶ラブラブ>出雲

 来年で創業から50年。昨年マスターが代替わりし、ランチには唐揚げやカツカレーといった定番に加え、2カ月ごとにメインが変わる季節のデラックスランチ(1,200円)も登場。

 名物のイタリアンスパゲッティー(890円、写真)は、ほとんどの来店客が注文する人気ぶり。ハムや玉ねぎを中心としたシンプルな具に生卵、こっくりしたトマト味がお約束。変わらぬ懐かしい味の中にわずか新しさも感じさせる。

食後にはひきたてのコーヒー(400円~)もぜひ。

むしろ「これを食べにラブラブに行く」という人も多いといって過言でない、イタリアンスパゲッティー。

記者も例外ではなく、何度となく通っては、今日はどのくらい粉チーズを振ろう、どのタイミングで卵を割ろう…と悩んできた。

「序盤で割る人、最後まで取っておく人、いろいろです。好みの食べ方で召し上がってもらえたら」とマスターの原 俊一さん。

「同じものがもう作られていない」という創業当時から使い込まれた鉄板は、経年劣化で穴が開いたりして、残り10枚を切ってしまったそう。

フォークに巻き取って、一口…これこれこの味、と膝を打ちたくなる。

玉ねぎの甘み、アクセントのハムにマッシュルーム、ピーマン。全体をまとめる、こっくりと深く、きゅんと酸味の効いたトマトの味わい。ただただ、うまい。

 

実は何度も家で再現を試みるのだが、どうしてもこの味が出せない。

最も近づけたと感じたのは、オイル多めでたっぷりの玉ねぎを炒める、ケチャップはよく焼く、スパゲティーは若干柔らかくなるまでゆでる…だったのだが…

「う~ん、それだとむしろちょっと遠のきますね(笑)。やはり味付けかな。ケチャップだけではないので…」とニコニコ。

さすがにそう簡単に企業秘密の秘伝の味は真似できなかったか…やっぱり奥が深い。

食後にと、直前に豆をひいた今月のお薦めコーヒー(450円、今回はブラジル)をサービスしてくれた。

サイフォンでゆっくりといれるため、香り高く舌触りがマイルド。ブレンドなどはネルドリップで。

豆はコーヒー好きの原さんが、知り合いや各地で出会ったコーヒー店から仕入れている。

 

「昭和レトロ」という言葉がぴったりの、あたたかみのある店内はどこを切り取っても絵になる。

古いマッチ箱や電話ボックスなど懐かしいアイテムがいっぱい。つい数年前まで懐かしの「ゲームテーブル」もあったそうだ。

 

来年で50年の節目を迎える同店の、創業当初の貴重な写真を見せてもらった(写真右上の男性が若かりし頃の先代マスター)。

ラブラブは妻の実家で、先代でもある義父が身体をこわしたことをきっかけに、まったくの異業種から「名店」を継ぐことに。

 

「もともと料理が好きで、いずれは…という思いはありました。同じ材料で作っても、作り手が違えば少しずつ違う味になるのがその魅力。長く愛されてきた『変わらない味』を大切にしながら、僕らしい味もそこに加えていけたら」

守りつつ、変えていく…原さん夫妻が受け継いだ名喫茶は、これからも愛されていくに違いない。

 

軽食喫茶ラブラブ

住所:出雲市神西沖町2107-1 【MAP】

電話:0853-43-1353

営業:8:00~18:00(モーニング~11:00)

休み:月・木曜日

駐車場:あり

IG:こちらから

 

(記事は2022年10月15日現在)

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