グルメ
【米子市】<喫茶 easy flow(イージーフロー)>心地よい音楽も楽しむ隠れ家的カフェ
窓から見えるイチョウの木と、女性ボーカルのジャズやボサノバが流れるシンプルモダンな空間に癒やされる、ビル2階の小さなカフェ。
体を包み、疲れをほぐすようなイスが長居を誘う。
丁寧な下ごしらえと余熱で火を通す繊細な仕上げがなめらかな舌触りに結実したバスクチーズケーキ(500円)や、レトロなたたずまいに心躍るプリン(400円)には、ハンドドリップでいれるまろやかなコーヒー(460円)がよく合う。
ランチには手作りカレーや卵1.5個分とキュウリを隙間なく挟んだホットサンドなどを。
口当たりをよくするため裏ごしした生地を、いったん寝かせてから高温のオーブンで一気に焼き上げ、時間をかけてじっくりと冷ます。
余熱を効果的に使って一般的なバスクチーズケーキよりも余分に火を通すことで、レアすぎない絶妙の食感に。
トレンドのかため食感プリンは、レトロテイストなステンレスの器で。
トッピングはシロップ漬けのラズベリー。
クセのないあっさりとした甘さはこだわって取り寄せる砂糖によるもの。
松江市の松浦珈琲の豆を、オーナー・横山圭介さんがオーダーごとに挽いてハンドドリップ。
まろやかで優しい味わいにホッとする。
手ざわりのいい器は、カップやお皿にこだわれるのが「小さなカフェの良さ」だ、と一点ずつ吟味した丹波焼。
来店客のほとんどがオーダーするというクリームソーダ(各580円)は「映え」のひとこと!
王道のメロンやイチゴほか、全8色から好みの色をチョイスできる。
印象的なロンググラスには、ユニークなエピソードが。
「実は最初はクリームソーダ用というより、形のおもしろさで仕入れてみたんです。
『長っ!!』と突っ込んでもらうくらいの軽い気持ちでしたが、知人とメニューに加える約束をしていたクリームソーダに使ってみたら、思いのほか感じが良くて、予想外に人気メニューになってくれました」
ソーダのカラーも当初は3色で準備していたそうだが、「絶対5色は出したほうがいい」と別の知人にアドバイスをもらったそう。
柔軟にアドバイスや助力を受けるしなやかさが功を奏してか、オープン当初から来店客はひきもきらず、今やカラフルなクリームソーダは同店の代名詞として、SNSを賑わせている。
たくさんの人が多方面で力を貸してくれることに、感謝の気持ちを忘れない横山さん。
長らく関西で暮らしていたものの、「一人でもできることをやってみたい」と脱サラして故郷にUターン、開業を夢に描いたのは6年前のこと。
カフェ巡りは好きだったが店舗経験はゼロ。大手のカフェチェーンや町の喫茶店などで働き、研鑽を積んだ。
「カフェを始めようと志して、開店を実現する人は5%ほど。でも仕事を辞めて挑戦するからには『これを実現するためにがんばったんだ』と思える形にしたかった」。
強い覚悟で2023年3月にオープンさせた店には、県外からも元職場の仲間たちが集まってくれるそう。
白とグレーの壁に木材が溶け込むシンプルかつモダンな印象の店内に、カウンターと窓際のテーブル席。
座り心地ばつぐんのイスが日中の疲れをいやし、ひとときの休息をくれる。
窓からは表通りのイチョウ並木が見え、すがすがしい気持ちに。
緑まぶしい季節はもちろん、秋の紅葉も楽しみだ。